写真エージェンシー

写真エージェンシーとは、外部に写真作品を有償で提供することを目的とする企業や集団を指します。写真家が中心となる場合もあれば、そうでない場合もあります。

歴史

写真エージェンシーの起源は、20世紀初頭のフォトジャーナリズムの勃興期に遡ります。当初は報道写真を新聞社や出版社などに提供することが主な業務でした。1920年代から1930年代にかけて、ヨーロッパを中心に多くの写真エージェンシーが設立され、高品質なニュース写真を提供することで、その地位を高めました。

フランス: キーストーン (1927年設立)
ドイツ: デフォト (1928年-1934年)、ヴェルトルントシャウ (1920年代初頭設立)

アメリカでは、1930年代末にブラックスターがニューヨークで設立されました。日本においては、名取洋之助の日本工房（1933年設立）が先駆けとなり、第二次世界大戦以前にも多くの写真エージェンシーが設立されています。

第二次世界大戦後も写真エージェンシーの設立は続き、特に1947年のマグナム・フォト設立は特筆されます。マグナム・フォトは写真家自身が運営するエージェンシーとして、その後の写真界に大きな影響を与えました。日本においては、VIVO（1959年-1961年）がマグナムと同様の形態の写真家による写真エージェンシーとして知られています。

現在の活動

現在では、報道写真だけでなく、ストックフォトを提供する写真エージェンシーも多く存在します。広告写真の分野でも写真エージェンシーの活躍が目立っています。

また、写真エージェンシーは写真提供にとどまらず、自社で管理する写真を用いて雑誌や年鑑、写真集などを発行することも少なくありません。

写真エージェンシーの役割

写真エージェンシーは、写真家とメディアを結びつけ、質の高い写真作品を社会に提供する重要な役割を担っています。また、写真家にとっては、作品発表の機会を提供し、経済的な基盤を支える存在でもあります。

写真史における写真エージェンシーの役割は非常に大きいにもかかわらず、まとまった研究や文献が少ないのが現状です。今後の研究の進展が期待されます。

関連項目

プロパガンダ
ファッション写真
著作権エージェント
ストックフォト
ストック写真
フォトライブラリー

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