冨田幸光

冨田幸光について

冨田幸光（とみだ ゆきみつ、1950年4月18日生まれ）は、著名な日本の古生物学者であり、国立科学博物館の名誉研究員として広く知られています。愛知県出身で、彼は学生時代から化石への興味を抱いていました。特に東海中学校・高等学校在学中に化石に対する情熱を深め、古生物学の道へ進むことを決意しました。

1973年に横浜国立大学教育学部を卒業後、冨田はアリゾナ大学で学び、1985年に博士号（Ph.D.）を取得しました。1974年から1980年までの間に、彼はアリゾナ大学大学院の博士課程に在籍しており、その後は国立科学博物館にてキャリアをスタートさせました。

国立科学博物館では、1981年に研究官として就任し、その後1992年には主任研究官に昇進しました。1994年には地学研究部の古生物第三研究室室長に就任し、定年後は名誉研究員として引き続き研究活動を行っています。

冨田は北アメリカと日本における古第三紀の小型哺乳類の系統分類や古生物地理学の研究を手がけています。また、アジア特にゴビ砂漠における恐竜の系統分類や解剖学的な研究についても精力的に取り組んでいます。さらに、岐阜県可児市に見られる中新統の齧歯類化石群の研究では、同地域の化石群を中国、北アメリカ、欧洲のものと比較し、その系統関係や古生物地理についての洞察を深めています。

また、冨田はメディアにも関与しており、NHKが制作した恐竜をテーマにしたSFドラマ『プライミーバル』や『恐竜たちの大移動 〜スカーとパッチの物語〜』の日本語版において古生物監修を担当しました。このように、学術研究だけでなく、一般向けのメディアへの貢献も行っています。

著書

冨田幸光は多くの著書を執筆しており、以下のような作品があります：

• - 『恐竜とわれら哺乳類』 (岩波科学ライブラリー, 1996)
• - 『恐竜たちの地球 カラー版』 (岩波新書, 1999)
• - 『絶滅した哺乳類たち』 (イラスト: 伊藤丙雄, 岡本泰子, 丸善, 2002)
• - 『絶滅哺乳類図鑑』 (イラスト: 伊藤丙雄, 岡本泰子, 丸善, 2002)

また彼は、他の著者との共著や監修も行っており、注目すべき作品には以下のものがあります：

• - 『恐竜は虹色だったか? たけしの「最新科学教室」』 (責任著者: ビートたけし, 新潮社, 2008)
• - 『化石・恐竜の大研究 なぞにせまる! 生命の記録を読みとこう』 (監修: PHP研究所, 2009)

翻訳と学術論文

冨田は海外の著作を日本語に翻訳したり、数多くの学術論文を発表したりするなど、研究活動の幅を広げています。主な翻訳にはジェームス・ゴーマンの『マイア 恐竜物語』や、Alan Turner, Mauricio Antonの『図説アフリカの哺乳類 その進化と古環境の変遷』があります。

冨田幸光の業績は、彼の専門分野である古生物学において重要な意義を持っており、多くの後進の学者や研究者に影響を与え続けています。古生物学の発展に寄与する彼の研究は、今後も多くの人々に新たな知見と興味を提供することでしょう。

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