凍京NECRO〈トウキョウ・ネクロ〉

『凍京NECRO〈トウキョウ・ネクロ〉』の世界：氷河期を迎え、機械化が進む未来都市

2016年1月29日、ニトロプラスから発売された18禁恋愛アドベンチャーゲーム『凍京NECRO〈トウキョウ・ネクロ〉』は、地球寒冷化によって氷河期を迎えた未来の東京、"凍京"を舞台に、蘇生された死者「リビングデッド」を巡る戦いを描いた作品です。2013年の『君と彼女と彼女の恋。』以来、2年ぶりのアダルトタイトルとして注目を集めました。

この世界では、地球寒冷化への対策として地熱を利用したホットパイプが張り巡らされ、人々は肉体の機械化や外部電脳（エクスブレイン）といった技術と共存しています。しかし、その一方で、ネクロマンサーと呼ばれる者たちがリビングデッドを操り、テロや犯罪行為を繰り返すという、暗く危険な側面も存在します。

プレイヤーは、リビングデッド専門の駆除業者「生死者追跡者」として、様々な事件に巻き込まれていきます。ゲームは、テキストアドベンチャー形式で物語が進行し、戦闘シーンでは、ニトロプラス初の試みとしてディーゼルエンジンを採用した3DCGモデルによる戦闘が展開されます。戦闘はテキストのクリックに合わせて進行するシステムです。

物語のあらすじ：記憶喪失の少女と、生死者追跡者の戦い

主人公は、冷静沈着な少年・臥龍岡早雲と、感情的で凶暴な少女・牙野原エチカ。二人は鴉済生死者追跡事務所に所属するパートナーです。ある日、二人はネクロマンサーに追われる記憶喪失の少女・宝形イリアと出会います。イリアの記憶を取り戻すため、そして凍京の平和を守るため、早雲とエチカは、様々なネクロマンサーや組織と対峙することになります。

物語は、凍京の様々な場所で展開します。浅草の高級住宅街や観光スポット、治安の比較的良い上野の屋台村、ネクロマンサーがはびこる池袋、そして違法老人射撃場がある旧お台場エリアなど、それぞれのエリアが独特の雰囲気と危険性を孕んでいます。

登場人物：個性豊かなキャラクターたちが織りなすドラマ

本作には、個性豊かな登場人物が多数登場します。冷静沈着な早雲、感情的なエチカ、記憶喪失のイリアのほか、対立する生死者追跡者・義城蜜魅、軍警察の少佐・阿蘇霧里、情報屋・コン・スーなど、それぞれの思惑を抱えたキャラクターたちが物語を彩ります。

さらに、仮想アイドルプログラム「Substance-Concept」、凍京メガフロートを拠点とする帝国エネルギー社のCEO・ソフィア・河原崎、そして複数のネクロマンサーなど、個性豊かなキャラクターたちが複雑に絡み合い、物語に深みを与えています。

システムと関連作品：多様な展開を見せる『凍京NECRO』シリーズ

『凍京NECRO』は、恋愛アドベンチャーゲームとしての側面だけでなく、タワーディフェンスゲーム『凍京NECRO Defenders』、シミュレーションRPG『凍京NECRO SUICIDE MISSION』といった派生作品も展開されました。これら関連作品は、原作の世界観をさらに広げ、多角的な楽しみを提供しています。

また、全年齢版のリリースや、他の作品とのコラボレーション企画なども行われ、『がっこうぐらし！』や『ニンジャスレイヤー』とのコラボイベントは好評を博しました。

凍京の未来：技術と死者の共存、そして人間の葛藤

『凍京NECRO』は、近未来的な世界観と、複雑な人間関係、そしてスリリングな戦闘シーンが見事に融合した作品です。地球寒冷化、技術革新、そして死者の蘇生という、現代社会にも通じるテーマを背景に、人間の葛藤や希望を描いています。ゲームをプレイすることで、この魅力的な世界観に浸り、登場人物たちのドラマを体感できるでしょう。

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