出丸橋

出丸橋（でまるばし）

埼玉県比企郡川島町にある出丸橋は、入間川を渡る特異な形状の冠水橋（潜水橋）です。この橋は川島町道1－11号線の一部として機能しており、地域住民や通勤者にとって重要な交通手段となっています。

橋の概要

出丸橋の現行構造は、入間川の流域に設けられた木製の橋から鋼製の構造物へと進化しており、その橋の長さは70メートル、幅は3.5メートルです。5径間の鋼鈑桁橋として設計されており、橋脚には鋼管を使用し、桁受けはコンクリートでできています。通行に対しては幅員制限が設けられており、橋の両端には進入制限のための柵もあります。通行する際は指定された幅員の範囲内に留めることが求められます。

出丸橋はその名の通り冠水橋であり、台風や大雨の際には水没することがあるため、通行止めとなる場合があります。しかし、平常時は朝の通勤ラッシュなどで交通量が多く、特に川越工業団地に通じる重要な経路として機能しています。

歴史的背景

出丸橋の位置にはかつて「土橋の渡し」と呼ばれる渡船場が存在していました。この渡船場は明治期の中頃に開設され、地元の交通の要所として機能していました。昭和20年代に入ると、戦後復興の一環として新しい橋が架けられましたが、木製の構造は1964年の洪水によって流失しました。その後、再度復旧され、さらに1995年に鋼製の構造に改修され現在の姿となりました。

1945年に架けられた初代の橋は木製で、欄干は設けられず、上流側には流木除けが付けられていました。しかし、たび重なる洪水の影響で修復を余儀なくされ、1995年により耐久性のある鋼製材に交換されたのです。

周辺環境とアクセス

現在の流れは1680年に改修されたものであり、元々流れていなかった位置に橋が架かっています。周辺には川越工業団地や清掃センター、地域の公民館などがあり、地域の生活や産業を支えるインフラが整っています。

特筆すべきは、出丸橋周辺には自転車専用道路が整備されており、居住者や通行者が利用しやすくなっています。この自転車道は入間川の堤防沿いに続いており、環境への配慮とともに地域活性化にも寄与しています。

出丸橋はただの交通路としてだけでなく、地域の歴史や文化を感じることができる重要な存在です。かつての渡船や木製橋から今日の鋼製冠水橋に至るまで、その変遷を見守ってきた出丸橋は、今後も地域住民に、また通行客にとって欠かせない存在であり続けるでしょう。

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