出版規範委員会

出版規範委員会（COPE）について

出版規範委員会（Committee on Publication Ethics: COPE）は、学術的な出版における倫理基準を議論し、設定する非営利組織です。この団体は、世界中の学術雑誌の編集者や出版社に対して、出版に関するさまざまな課題に対処するためのガイダンスを提供しています。

歴史的背景

出版規範委員会は、1997年に英国の数少ない医学系学術雑誌の編集者たちによって設立されました。その目的は、学術出版における倫理や規範に関する問題を検討し、業界全体の品質向上を図ることでした。当初は数誌からのスタートでしたが、次第にその重要性が認識され、国際的な組織となっていきました。

会員構成

2023年2月28日現在、COPEには全学術分野からなる学術誌が10,850誌、出版社が21社、そして個人会員が27人所属しています。この中には、日本からも179誌の学術誌、1つの出版社、そして1人の個人が会員として参加しています。また名誉会員も5人存在し、彼らは組織の発展に貢献した人物たちです。

主な活動内容

COPEは学術出版に関する規範の確立を推進し、特に以下のような問題に焦点を当てています:

• - 捏造、改竄、盗用（これらは通称「特定不正行為」または「研究ネカト」と呼ばれる）
• - 重複出版などの倫理に反する行為

これらの問題に対して、COPEは研究の公正性を確保するためのガイドラインを作成し、編集者や出版社の皆様にアドバイスを行っています。特に、実践的なガイドラインの一部は、それぞれのニーズに応じてウェブサイト上で無料で提供されています。

エリザベス・ウェイジャー（Liz Wager）は、2006年から2012年までの間、COPEの理事および会長を務めており、彼女はこのような活動の重要性を繰り返し強調しています。彼女は、学術誌の編集者や出版社のために専門的な知識や助力を提供することが、学術界の透明性を高める手助けとなると述べています。ただし、これらの専門的なサービスを受けるには、有料会員となる必要があります。

さらに、COPEは学術出版における倫理研究への助成も行い、年4回のニュースレターを発行しています。毎年、英国や米国ではセミナーを開催し、学会やコミュニティ間での情報交換を促進しています。

結論

このように、出版規範委員会は世界中の学術出版の向上に寄与するため、倫理的なガイドラインを提供し、業界の透明性を確保する重要な役割を果たしています。学術界全体がCOPEを通じて、より健全な研究環境を築いていけることを目指しています。

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