出雲充

出雲充：ミドリムシで世界を変える実業家

出雲充（いずも みつる）は、1980年1月17日生まれの実業家であり、株式会社ユーグレナの創業者兼代表取締役社長です。ミドリムシ（学名：ユーグレナ）の研究・生産を行うバイオベンチャー企業を率い、食料問題や環境問題の解決に貢献しています。広島県呉市で生まれ、東京大学農学部を卒業しました。世界経済フォーラム（ダボス会議）のヤンググローバルリーダーにも選出され、第一回日本ベンチャー大賞では内閣総理大臣賞を受賞するなど、その功績は多方面から高く評価されています。

生い立ちと原点

出雲は、幼少期を神奈川県で過ごした後、多摩ニュータウンへ移り住みました。私立駒場東邦中学校に入学すると、インターネットの可能性に魅了され、マルチメディア研究会を立ち上げます。駒場東邦高校時代には、文化祭で自作のプリントシール機を披露するなど、創造性と技術力を発揮しました。

貧困に苦しむ人々を救いたいという思いから、国際連合での勤務を志していた出雲ですが、東京大学入学後、バングラデシュでのインターンシップで深刻な栄養失調の実態を目の当たりにします。この経験が、国連職員という目標ではなく、自らの手で栄養問題に直接的に取り組む決意へと繋がりました。

ミドリムシとの出会い

東大農学部に転部した出雲は、栄養素の研究を進める中でミドリムシと出会います。ミドリムシが持つ潜在的な栄養価に魅せられ、その可能性を追求し始めました。しかし、当時は屋外での大量培養が不可能であり、その謎を解明することが、大学卒業までの課題となりました。大学時代には、後にユーグレナの取締役CTOとなる鈴木健吾と出会い、ミドリムシの研究をさらに深めるきっかけを得ました。

ユーグレナ創業までの道のり

大学卒業後、東京三菱銀行（現 三菱UFJ銀行）に入行しますが、ミドリムシへの情熱を捨てきれず、週末には大学で研究を継続します。銀行員としての安定した生活を捨て、23歳で退職し、ミドリムシの研究に専念することを決意。しかし、研究は難航し、資金も底をつきかけます。そんな中、ライブドア社長だった堀江貴文に資金援助を直談判したことが転機となり、2005年に株式会社ユーグレナを設立しました。

ミドリムシ大量培養の成功と事業展開

ユーグレナは、ミドリムシの屋外大量培養に世界で初めて成功し、その豊富な栄養素を活かしたドリンク、サプリメント、化粧品などの販売を開始しました。この功績が認められ、日本ベンチャー大賞を受賞。しかし、ライブドア事件の影響でオフィスを追われるなど、苦難も経験します。その後、投資家や研究者の協力を得ながら、事業を拡大していきました。

さらなる挑戦：バイオ燃料

食料問題の解決だけでなく、環境問題にも貢献するため、ミドリムシを原料としたバイオ燃料の開発にも力を入れています。2021年には、ミドリムシ由来のバイオ燃料を使用した小型ジェット機が試験飛行に成功。この燃料は、化石燃料に比べてCO2排出量を削減できると期待されており、次世代の燃料として注目を集めています。

ユーグレナの現在と未来

ユーグレナは、ミドリムシの可能性を追求し続け、食料、エネルギー、環境問題の解決に貢献することを目指しています。出雲は、そのリーダーとして、企業理念である「サステナビリティ」を追求し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。

人物像

出雲の座右の銘は「昨日の不可能を今日可能にする」であり、その挑戦的な姿勢は多くの人々を魅了しています。趣味はピアノ演奏であり、多才な一面も持ち合わせています。

受賞歴と著書

出雲は、数々の賞を受賞しており、その功績は広く認められています。また、著書も多数あり、『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』はベストセラーとなりました。

メディア出演

出雲は、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞など、様々なメディアにも出演しており、その活動は広く知られています。

結論

出雲充は、ミドリムシという微細藻類に可能性を見出し、世界を変えようと挑戦し続ける実業家です。その革新的な発想と行動力は、私たちに新たな未来への希望を与えてくれます。

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