函館市交通局600形電車

函館市交通局600形電車は、1954年に函館市電に導入された路面電車です。601から605の5両が製造され、函館市内の路線を駆け抜けました。

概要

600形は、1948年から1950年にかけて導入された500形電車と、台車や車体構造を共通としており、ほぼ同等の性能を持っていました。しかし、外観上は運転窓が特徴的な変則2枚窓となっていました。乗降口は3箇所ありましたが、1963年11月からワンマン化改造が始まるまでは、中央の扉は締め切り扱いとなっていました。

ワンマン化改造

1969年には全車両がワンマン化改造を受けました。この改造により、乗降口の配置が大きく変更されました。それまで締め切り扱いだった中央扉が乗車口となり、前扉が降車口となりました。使用されなくなった後部の扉は埋め込まれ、外観が大きく変化しました。運転窓も固定化されましたが、後年登場した1000形とは異なり、運転台への通風を目的とした窓が設けられました。また、方向幕も大型化され、視認性が向上しました。

晩年と廃車

ワンマン化改造後も、600形は函館市電の主力車両として活躍しましたが、老朽化には勝てず、1973年10月に全車が廃車となりました。短い活躍期間でしたが、函館市民の足として親しまれました。現在は保存されている車両はなく、その姿を直接見ることはできません。

参考文献

* 世界の鉄道 1964年版　朝日新聞社　1963年

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