刀語

刀語 (カタナガタリ)

概要

『刀語』は作家西尾維新による日本の小説シリーズで、全12話から構成されています。本作は、著者にとって初の時代小説であり、イラストは竹が担当しています。講談社BOXから2007年に発表され、清涼院流水の「パーフェクト・ワールド」と並び、12か月連続で刊行された作品です。物語は「刀を使用しない剣士」と、各自が特異な能力を持つ12本の「変体刀」を巡る戦いを描いています。各巻の末尾には、対戦相手のプロフィールや格闘ゲーム風の技入力コマンドが掲載されており、これはカプコンとのゲーム化構想から発生したものですが、実際には実現しませんでした。

また、2010年には同作品をもとにしたアニメが放送されました。さらに、『刀語』の20年前の時代を描いた朗読CD『第零話 虚刀・鑢』や、その約200年前の外伝『真庭語』も存在し、外伝を含めると累計発行部数は200万部を超えています。

あらすじ

物語は、かつての戦乱の時代から始まります。当時、伝説の刀鍛冶「四季崎記紀」が作った千本の刀を持つ軍隊が圧倒的な力を持つとされ、尾張幕府によって国が統一されたものの、旧将軍が刀を恐れ「刀狩」を行い988本も刀を集める事態に発展します。残る12本は完成形変体刀であることが明らかになります。

時は流れ、虚刀流の七代目当主である鑢七花が、姉の七実とともに不承島でひっそりと暮らしていましたが、幕府によって変体刀の収集を命じられた奇策士のとがめが訪れ、彼女は父六枝の遺志を果たすために協力を求めます。七花は、愛のために戦う剣士としての道を選び、各地で出会う敵や仲間と共に変体刀を集める旅を始めます。旅の中で、彼はさまざまなトラブルに巻き込まれつつも、人間としての成長を遂げ、変体刀の所持者や真庭忍軍との闘いに挑みます。

世界設定

物語は、戦国時代から尾張時代への移行期を描いた日本を舞台にしており、独自の歴史や文化が組み込まれています。また、「変体刀」の概念は、作品内の重要な要素であり、刀の特性が戦闘において重要であることが強調されています。

登場人物

主要なキャラクターには、主人公で虚刀流の七代目当主である鑢七花、奇策士のとがめ、そして彼の姉である七実がいます。七花は、剣の才能を持たないものの、常識を超えた発想と人間らしい感情を持つキャラクターです。他にも、様々な敵や仲間があり、物語は彼らとの関係を通じて展開していきます。

作品の評価

『刀語』はそのユニークな設定や魅力的なキャラクター、緻密なストーリー展開が評価されており、アニメ化されることでさらに多くのファンを獲得しました。また、様々な外伝や関連書籍も発表されこの世界観を広げています。

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