刑事貴族

刑事貴族

『刑事貴族』は、1990年から1992年にかけて放送された東宝制作の刑事ドラマシリーズです。全3シリーズ、計103話が日本テレビ系列で放送されました。

概要

このドラマの舞台は、東京都新宿区にある架空の警察署「警視庁代官警察署」。シリーズ全作で刑事課の刑事たちが取り組む事件解決の様子を描いています。プロデューサーの初川則夫は、タイトルの『貴族』に「刑事の中の刑事、誇り高い男」という意味を込めていると語っています。

シリーズの初作は、主演に舘ひろしを迎えたハードボイルドなスタイルで開始されました。この路線は、アメリカのテレビドラマ「クライム・ストーリー」を参考にしており、2クールを予定してのスタートでしたが、視聴率が好調だったことから延長されました。初作では、主役の舘が第16話で降板し、その後は郷ひろみが新たに主役を務めることになります。これにより、ストーリーやキャラクターの構成も従来の集団刑事ドラマへと移行しました。

次のシリーズ『刑事貴族2』では、主演を水谷豊に変更し、登場キャラクターも一新されました。コメディ要素を交えた軽快な展開が特徴で、視聴者に新たな楽しみを提供しました。このシリーズには、後に『相棒』で水谷と共演する高樹沙耶や寺脇康文も登場し、キャスティングの原型ともなりました。

美術や衣装にも工夫が施され、例えば水谷が演じる本城は、エンディングでタキシード姿で花束を持って登場するなど、ビジュアルが印象的な演出となっています。ロケーションも多様で、神戸、鹿児島、香川などで撮影されたエピソードがあります。

登場人物

登場人物の階級は文献によって異なる記載も見られますが、代表的なキャラクターをいくつか紹介します。

1. 牧 俊介（警部補）: 舘ひろしが演じ、冷静沈着でありながらも、時には怒りをあらわにするキャラクター。
2. 風間 明（警部補）: 郷ひろみによって演じられ、英語が堪能で、持ち前のアイデアと勘で事件を解決。
3. 志村 由美子: 黒木瞳が演じるヒロインで、捜査に熱心な刑事。
4. 泉 裕史: 布施博が演じる体育会系の刑事で、元気で面倒見の良い性格。
5. 青木 順子: 高樹沙耶によって演じられたキャラクターで、若手刑事としての成長が描かれます。

スタッフと音楽

企画を担当した小杉義夫や、プロデューサーの初川則夫は、ドラマの方向性を決定づける重要な役割を果たしました。また、音楽は作品の雰囲気をさらに引き立てており、主題歌やテーマ音楽も多くのファンに親しまれています。

放送日程

『刑事貴族』は1990年4月から始まり、その後『刑事貴族2』『刑事貴族3』と続き、最終的に全482話が制作されました。視聴者からの高い支持を得て、多くの人々に記憶に残る作品として愛されることとなりました。

もう一度検索