初恋 (1952年の映画)

映画『初恋』の紹介

『初恋』（英題：Secret People）は、1952年に公開されたモノクロのイギリス映画で、オードリー・ヘプバーンがバレリーナとして魅力的なパフォーマンスを見せる作品です。本作は、ヘプバーンのキャリアの初期にあたるもので、彼女の名前がエンド・タイトルでのクレジットにおいても高く掲げられています。

あらすじ

本作は1930年のロンドンを舞台に、幼い頃に両親を失った姉妹、マリアとノラの物語を描いています。彼女たちは父の親友であるアンセルモに引き取られ、彼が経営するレストランで働きながら成長します。やがて1937年、アンセルモは姉妹を連れてパリの万博に向かいます。この旅行の裏には、独裁者ガルバン将軍の暗殺という重要な目的が隠されていました。アンセルモは、かつて姉妹の父と同じ秘密結社のメンバーであり、マリアは7年ぶりに再会する恋人、ルイとも万博で再会します。

出発前夜、マリアはルイから小さなバッグをプレゼントされ、彼女はその中に隠された爆弾入りのシュガレットケースを発見します。この衝撃的な出来事が、物語のクライマックスへと繋がります。

スタッフとキャスト

本作の製作にはシドニー・コールが関与し、監督はソロルド・ディキンスンが務めています。脚本はディキンスンとウォルフガング・ウィルヘルムの共同作で、撮影はゴードン・ダインズが担当しました。音楽はロベルト・ジェラールが手がけ、フィルハーモニア管弦楽団の演奏が映画に華を添えます。

キャストには、マリア役を演じるヴァレンティナ・コルテーゼ、ルイ役のセルジュ・レッジャーニ、ノラ役のオードリー・ヘプバーンなどが参加し、それぞれの役柄に深みを与えています。特にヘプバーンの演技は、彼女が若きバレリーナとしてどのように成熟していくのかを映し出しています。

製作背景

『初恋』の企画は1947年頃に始まりましたが、実際の製作が進む中でヒロインにヘプバーンを選ぶ過程や、彼女の役に対する周囲の意見などが影響を与えました。撮影は1950年に開始され、特にバレエシーンのリハーサルにおいては厳しい環境下での撮影が続きました。ヘプバーンは冷え込んだ劇場の中で何度も撮影を繰り返し、エキストラたちも同様の辛い状況で演技を完遂しました。

映画の受容とエピソード

1966年に日本で初公開された際は、タイトルに「ファースト・ラブ」が付加され、1993年のリバイバル上映時には省かれた経緯があります。また、ビデオやDVD発売時には、オードリー・ヘプバーンの名が前面に出ており、その人気と影響力を物語っています。

映画『初恋』は、愛の物語とバレエの魅力を融合させた作品であり、ヘプバーンの歌と踊りの才を活かした貴重な映画として、今も多くの人々に親しまれています。

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