初恋 (aikoの曲)

aiko「初恋」：故郷への想いと新たな時代の幕開け

2001年2月21日、aikoの7枚目のシングル「初恋」がポニーキャニオンよりリリースされました。この作品は、aikoのシングルにおける新たな境地を切り開いた、重要な一枚と言えるでしょう。

前作「ボーイフレンド」から約5ヶ月ぶりのリリースとなった「初恋」は、発売と同時に大きな話題を呼びました。シングルとしての初動売上は、aiko自身の記録を塗り替える最高の数字を叩き出し、累計売上においても「ボーイフレンド」に次ぐ2位という輝かしい結果を残しています。この成功は、aikoの音楽性がより多くのリスナーに受け入れられ始めたことを示す、大きな指標となりました。

「初恋」の歌詞は、東京での生活を送りながらも、故郷に残してきた恋人を想うaikoの心情を繊細に表現しています。都会の喧騒の中で、故郷の風景や、大切な人の記憶を鮮やかに呼び覚ます、切なくも温かい歌声は、多くのリスナーの共感を呼びました。聴く者の心に深く響く、aikoの真骨頂とも言える一曲です。

カップリング曲として収録されている「アスパラ」も注目に値します。「アスパラガス」というユニークなタイトルは、aiko自身の学生時代の弁当に頻繁に登場した食材に由来しています。aiko自身はアスパラガスを好物ではないと語っていますが、この意外性のあるタイトルと、楽曲の持つ魅力的なサウンドは、多くのリスナーを惹きつけました。

さらに、「脱出」という楽曲も収録されており、バラエティ豊かな内容が、このシングルの魅力を高めています。「初恋」のインストゥルメンタルバージョンも収録され、楽曲の構成、アレンジメントの細部まで楽しめるようになっています。

初回限定盤は、歌詞カードが8ページのブックレット仕様、さらにカラートレイ仕様という特別仕様でした。この仕様は、後のaikoのシングルにおいても踏襲されることになり、「初恋」がaikoのシングルにおける新たな時代の幕開けを告げる象徴的な作品になったと言えるでしょう。また、このシングル以降、aikoの全てのシングルとアルバムの初回限定盤では、裏ジャケットの表記が曲目名のみとなり、それ以外の情報はブックレットに記載されるというスタイルが確立されました。この変更も、「初恋」がaikoのキャリアにおいて転換点となったことを示す重要なポイントです。

全曲の作詞・作曲はaiko自身によるもので、編曲は島田昌典が担当しました。aikoの才能と、制作スタッフのこだわりが凝縮された「初恋」は、多くのファンに愛され続ける、aikoの代表曲の一つとして、音楽史にその名を刻んでいます。

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