別れさせ屋 (テレビドラマ)

2001年放送ドラマ『別れさせ屋』：複雑な人間関係と視聴率低迷の影

2001年1月8日から3月5日にかけて、日本テレビ系で放送されたテレビドラマ『別れさせ屋』。毎週月曜の夜に放送された本作は、依頼を受けた男女の別れを成立させる専門業者「別れさせ屋」の仕事を通じて、様々な人間模様を浮き彫りにする物語でした。

個性豊かな登場人物たちが織りなすドラマは、視聴者から注目を集めると期待されましたが、平均視聴率は8.08％と振るわず、当初予定されていた全10話から全9話へと放送回数が短縮される事態となりました。最低視聴率は6.7％を記録し、期待されたほどの視聴者獲得には至らなかったことがわかります。

専門家集団「別れさせ屋」とその周辺人物たち

物語の中心となるのは、PPI探偵社という架空の別れさせ屋です。社長である水沢千春（奥菜恵）をはじめ、元映画俳優で変装の名人である久留米留吉（内藤剛志）、メカニックに長けた原亮一（中村俊介）など、個性的な面々が所属しています。

物語の軸となるのは、主人公の一ノ瀬美郷（村上里佳子）。第1話で別れさせ屋のターゲットになったことをきっかけに、自らも別れさせ屋として働くことになります。複雑な事情を抱える美郷の家族、再婚した父・祐太郎（峰竜太）や、祐太郎の母・徳子（野際陽子）、祐太郎の連れ子であるあかり（新井賀子）も物語に深く関わってきます。祐太郎は、美郷の不倫を理由に家を出て失踪するという、衝撃的な展開もみせます。

各エピソードで描かれる様々な人間模様

全9話からなるドラマは、それぞれのエピソードで様々な人間関係の悩みが描かれています。不倫、ストーカー、政治家のスキャンダル、そして師弟関係といった、現代社会における人間関係の複雑さを多角的に表現していました。

例えば、第1話では美郷の不倫相手である三宅正和（石黒賢）との関係、第2話では複数の愛人を抱える男性とその妻・倉本歩美（水島かおり）を取り巻く複雑な人間模様、第5話では衆議院議員の不倫問題などが描かれます。これらのエピソードを通して、別れさせ屋という特殊な職業を通して、人間関係の脆さや葛藤が浮き彫りにされていました。

ゲスト出演者も豪華な顔ぶれが揃い、石黒賢、妻夫木聡、菊池麻衣子、大沢樹生、林隆三、多岐川裕美、吹石一恵、阿部サダヲ、山本耕史など、多くの実力派俳優が脇を固めていました。それぞれのエピソードにおいて、ゲスト出演者と別れさせ屋との複雑なやり取りは、ドラマ全体に深みを与えていたと言えるでしょう。

スタッフと主題歌

脚本は森下直、金井寛、横田理恵の3名が担当し、音楽は大野克夫が担当。主題歌はT.M.Revolutionの「BOARDING」が起用されました。プロデューサーは今村紀彦、佐藤丈、戸田直秀の3名。演出は複数名が担当し、花堂純次、藤井裕也、竹綱裕博、白川士の4名がそれぞれ複数話に渡って演出を担当しています。

視聴率低迷と放送回数の短縮

視聴率の低迷は、ドラマの制作過程にも影を落としたようです。当初は全10話の放送が予定されていましたが、実際には全9話に短縮されました。これは、放送開始から数話放送された段階で、視聴率が芳しくなかったことが原因と考えられます。

しかし、豪華なキャスト陣や、それぞれのエピソードで描かれる複雑な人間関係、そして別れさせ屋というユニークな設定は、視聴者にとって興味深いものであったと考えられます。視聴率低迷という結果に終わってしまいましたが、多くの視聴者に記憶に残るドラマだったと言えるのではないでしょうか。

最終的にはビデオソフトとして発売された本作は、DVDやブルーレイの普及が進む以前の時代だったため、ビデオテープでの販売となりました。ビデオソフトの売上も、ドラマの評価を知る上で一つの指標となるでしょう。

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