別府 (福岡市)

別府（べふ）

福岡県福岡市城南区に属する町名。現在の行政区域は別府一丁目から七丁目までで構成されています。同じ表記を持つ大分県別府市とは異なり、「べふ」と読みます。総面積は77.83ヘクタールにおよび、2023年2月末時点の人口は14,750人を数えます。郵便番号は814-0104です。

地理

別府は、福岡市の中心部とされる天神から南西およそ3.5キロメートルの距離に位置しています。福岡市地下鉄七隈線が地域内を通り、別府駅を利用すれば、天神や博多駅といった福岡市内の主要な拠点へ乗り換えなし、または短時間でのアクセスが可能です。この優れた交通網が、地域の高い利便性を支えています。

町域は、北側で鳥飼や城西団地、東側で別府団地、南側で田島や茶山、西側で茶山や荒江団地とそれぞれ隣接しています。

地形については、町域の中央部を東西に横断する国道202号線が目安となります。国道の北側はおおむね平坦な地形が広がっていますが、南側は南方へ向かうにつれて緩やかに標高が高くなり、起伏が見られます。標高はおよそ5メートルから20メートル程度です。また、国道の北側でも、中村学園大学に近い交差点の北側はわずかに小高くなっている場所があります。

町内には複数の河川が流れていますが、具体的な名称は資料に記載されていません。

地価

参考として、2016年（平成28年）7月1日に公表された都道府県地価調査によれば、別府五丁目の商業地における1平方メートルあたりの価格は300,000円とされています。

語源

「別府（べふ）」という地名は、歴史的に「別符（べふ）」に由来すると考えられています。「別符」とは、朝廷などから特別に認められ、公的な支配から区別された土地を指し、「別勅符田（べっちょくふでん）」を省略した言葉であるとされています。読み方としては、「べふ」のほかに「べっぶ」も同じ意味で用いられることがあります。

この地名は古くから存在しており、鎌倉時代に描かれた軍記物語である『竹崎五郎絵詞（たけざきごろうえことば）』の中にも、「別府のつか原」として記述が見られます。当時既に「別府のつか原」といった表現が使われており、古くからこの地域が「別府」と呼ばれていたことがうかがえます。

歴史

この地域には、安土桃山時代の歴史的な伝承が残っています。豊臣秀吉が朝鮮出兵を行った際、博多から肥前名護屋城（現在の佐賀県）に置かれた本陣へ移動する際にこの別府の地を通過したと伝えられており、この時に利用された道筋は「太閤道（たいこうどう）」として語り継がれています。

近代以降の行政区画の変遷としては、1889年（明治22年）の町村制施行により、早良郡谷村や鳥飼村の一部、福岡区西町の一部が合併して早良郡鳥飼村の一部となりました。その後、1919年（大正8年）11月1日には鳥飼村が福岡市に編入されました。

インフラ整備も進み、1970年（昭和45年）7月30日には、当時の国鉄筑肥線を跨ぐ陸橋である別府大橋が完成しました。翌1971年（昭和46年）7月1日には住居表示が実施され、それまでの旧町名（別府北町、別府町、西田町、弓の馬場など）が整理統合され、現在の別府一丁目から七丁目となりました。

また、行政区の再編に伴い、1982年（昭和57年）5月10日には、福岡市の西区から分区されて新たに設けられた城南区の一部となりました。比較的新しい交通インフラとしては、2005年（平成17年）2月1日に福岡市地下鉄七隈線が開業し、町域内に別府駅が設置されたことが挙げられます。これにより、都心へのアクセスが飛躍的に向上しました。

人口は、地下鉄開業なども影響し、近年緩やかな変動が見られます（詳細な推移データは省略）。

交通

鉄道

福岡市地下鉄七隈線：別府駅

バス

西鉄バスの路線が運行されており、町域内および周辺に以下のバス停があります。

別府駅前
中村大学前
別府四丁目
別府六丁目
別府小学校前

道路

主要な道路として、以下のものが通っています。

国道202号（別府橋通り）
福岡県道559号原東警固線（一部、国道202号と重複）
市道：鳥飼梅林線（城南学園通り）、地行鳥飼七隈線、博多駅鳥飼線など

施設

町域内には、生活を支える多様な施設が存在します。特に国道202号線沿いを中心に、コンビニエンスストアやスーパーマーケットが多く立地しており、日々の買い物に便利です。

公共施設

福岡市別府公民館

教育機関

中村学園大学
福岡市立別府小学校

また、住民の憩いの場となる公園なども複数整備されています（具体的な名称は資料に記載なし）。

別府は、都心へのアクセスの良さと、地域内に整った生活環境を併せ持つ、利便性の高い住宅地として発展しています。

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