別府-万年山断層帯

別府-万年山断層帯について

別府-万年山断層帯は、豊予海峡・別府湾の海底から大分県東部の大分平野を通り、大分県西部の熊本県境付近まで、東西方向に伸びる活断層帯です。この断層帯は、地震調査研究推進本部によって詳細な区分がなされ、また、大分県独自の調査によっても複数のグループに分けられています。

地震調査研究推進本部による区分

地震調査研究推進本部は、断層の走向や変位の向きに基づき、以下の4つに区分しています。

1. 別府湾-日出生断層帯: 大分市佐賀関北東沖の豊予海峡付近から別府湾を経て玖珠郡玖珠町まで、長さ約76kmに及ぶ断層帯で、北側が隆起しています。
2. 大分平野-由布院断層帯: 大分市から玖珠郡玖珠町南東部まで、長さ約40kmの断層帯で、南側が隆起しています。
3. 野稲岳-万年山断層帯: 由布市湯布院町から日田市大山町まで、長さ約30kmの断層帯で、北側が隆起しています。
4. 崩平山-亀石山断層帯: 由布市庄内町から日田市大山町まで、長さ約34kmの断層帯で、南側が隆起しています。

これらの断層は全て正断層であり、北側または南側が相対的に隆起している点が特徴です。

大分県による区分

大分県は、1998年度から2003年度にかけて行った調査で、この断層帯を以下の5つのグループに分類しています。

別府湾断層帯
別府地溝南縁断層帯
別府地溝北縁断層帯
崩平山-万年山地溝南縁断層帯
崩平山-万年山地溝北縁断層帯

これらの区分は、より詳細な地域特性を考慮したものであり、断層帯の複雑な構造を示唆しています。

重点的な調査観測

別府-万年山断層帯の中でも、特に大分平野-由布院断層帯東部は、地震後経過率が最大値1.0を超えており、地震発生の可能性が高いとされています。また、この断層帯が通過する市町村の総人口が約50万人を超えるため、地震が発生した場合の社会的影響が大きいとされています。このため、地震調査研究推進本部は、2009年にこの断層帯を調査観測対象候補に選定し、2014年度から文部科学省による重点的な調査が行われています。

これらの調査の結果、大分平野-由布院断層帯東部が、過去に慶長豊後地震の際に活動していた可能性が高いと推定されています。

過去の活動

1596年（文禄5年）に豊後国（現在の大分県）で発生した慶長豊後地震は、別府-万年山断層帯（別府湾断層帯）の活動によるものと考えられています。この地震は、この地域に甚大な被害をもたらしたと考えられています。

また、2016年（平成28年）の熊本地震発生後の4月16日に、大分県中部で発生したマグニチュード5.3、最大震度5弱の地震も、別府-万年山断層帯の活動によるものと見られています。この地震は、熊本地震の一連の活動に関連して発生したものと考えられており、この断層帯の活動が広範囲に影響を及ぼす可能性を示唆しています。

関連情報

この断層帯は、別府-島原地溝帯の一部を構成しており、周辺地域には万年山などの地形的な特徴も見られます。地震調査研究推進本部のウェブサイトでは、万年山-崩平山断層帯に関する詳細な情報が公開されています。

外部リンク

万年山－崩平山断層帯 - 地震調査研究推進本部
* 別府-万年山断層帯（大分平野-由布院断層帯東部）における重点的な調査観測 平成26年度 成果報告書 地震調査研究推進本部

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