前歴開示および前歴者就業制限機構

前歴開示及び前歴者就業制限機構（DBS）について

前歴開示及び前歴者就業制限機構（Disclosure and Barring Service、DBS）は、イギリス国内務省が監督する公的機関です。DBSは、イングランド、ウェールズ、チャンネル諸島、マン島において、雇用者が求職者の前歴を確認するための手続きを提供しています。この機関は特に、「こどもや脆弱な大人と接することができない者のリスト」を作成し、前歴者の雇用禁止を決定する役割を担っています。DBSは2012年に成立した自由保護法に基づき、以前の犯罪記録管理局（CRB）と独立保護機関（ISA）が統合されて設立されました。

来歴

DBSの設立に至るまでの歴史は長く、2002年には教育省が子どもと接する職業に適さない人物を特定するデータベース（リスト99）の作成を開始しました。その後、このリストはISA子供禁止リスト、DBS子供禁止リストと改名され、更新されてきました。2004年には保健省が脆弱な大人についてのデータベース（POVA First）の作成を始め、後に「ISA Adult First」及び「DBSアダルトファースト」として統一されました。

DBSは、これらの機関を統合し、犯罪者が子どもや脆弱な大人と接することを防ぐための仕組みを提供しています。

前歴照会の制度

DBSの前歴開示は、一般にDBS証明書またはDBSチェックと称され、求職者の犯罪歴を確認する手続きです。雇用者は職種にかかわらず、求職者の犯歴照会を行うことができますが、特に子どもと関わる仕事では、求職者が性的虐待等の犯罪歴を有する場合、雇用することは法律により禁止されています。これにより、こどもに関連する職業は、雇用者が求職者の遺伝子照会を行うことが義務付けられています。

照会に使用されるデータベース

DBSが使用するデータは、内務省などの関連機関によって管理されています。具体的には、PNC（Police National Computer）には、逮捕記録や有罪判決に関連する情報が保存されています。また、地方警察によって管理されるPLX（Police Local Cross Referencing Database）には、個人に関する詳細な情報が記録されています。

就業禁止者リストと証明書の種類

DBSは、特定の重大な犯罪で有罪判決を受けた者や、通報をもとに組織的な判断でリストに掲載される者を管理しています。職業の特性に応じて、DBSは4種類の証明書を発行しています。基本チェックは全職種に利用されるもので、基本的な前歴情報が提示されます。標準チェックは公的資格が必要な職業向けに、より詳細な情報を含むものです。拡張チェックは特定の職業に特化し、機微な情報を提供します。また、就業禁止者リスト付き拡張チェックは、より厳格に雇用条件を確認する手続きとなります。

結論

DBSは、こどもや脆弱な大人を保護するため、求職者の前歴を照会する重要な機関です。法律に基づくきめ細かな活動により、社会全体の安全性を高める役割を果たしています。DBSの存在は、雇用者と求職者双方にとって不可欠なものであり、今後もその機能はさらに重要性を増していくでしょう。

もう一度検索