前田新造

前田 新造について

前田新造（まえだしんぞう、1947年2月25日生まれ）は、日本の著名な実業家で、株式会社資生堂の相談役を務めています。彼はまた、東芝の取締役会会長としても知られています。大阪府八尾市で生まれ育った彼のキャリアは、資生堂との出会いから始まりました。

生い立ちとキャリアの初期

前田は大阪府立八尾高等学校を卒業後、1970年に慶應義塾大学文学部を修了し、資生堂に入社しました。彼は最初に資生堂大阪中央販売に配属され、商品課にて化粧品の受注業務に従事しました。入社直後は売上が思うように伸びず、彼は工夫を凝らし売上改善に努めました。特に、外商担当者との関係構築にまつわる努力は印象的であり、自らのメッセージを配布するなど積極的に行動しました。この努力によって、彼はその後結婚する女性と出会うことにも繋がります。

イプサの起ち上げ

1985年、前田は「資生堂」とは別のブランドの企画に関わり始めました。彼が手掛けた「イプサ」は、「自分で作る自分だけの化粧品」をテーマにした革新的なブランドでした。しかし、イプサの立ち上げは順調とは言えず、来客数の少なさから厳しい批判を受けることとなりました。3年後、再び資生堂に戻ることになりますが、彼は一時的に閑職に就き、厳しい思いをした時期もありました。こうした困難を乗り越えて、経営企画部での役割を再開し、自ら行動を起こしました。

資生堂の社長として

その後、前田は資生堂での地位を次第に確立し、1990年にはチェイン事業本部デパート部課長、1995年にはチェイン部次長に昇進しました。1996年には化粧品企画部の部長に就任し、さらなるキャリアの発展を果たします。2003年には取締役に就任し、経営企画室の室長も兼務するなど、その手腕が高く評価されました。そして2005年、彼は第13代資生堂社長に就任し、会社のブランド戦略を立て直すために「メガブランド戦略」を実施しました。

社長復帰と後の活躍

2013年、前田は体調を理由に一時社長職を辞任しますが、同年4月に危機回避的に社長に復帰します。この復帰以降、彼はさらなる店舗改革を推進し、特に店頭在庫の削減に成功しました。翌年、一定の成果を上げて相談役に退くこととなります。

人物像

前田の信条は「至誠、天に通ず」という言葉に表れています。趣味として映画鑑賞を愛し、特に名作である『哀愁』や『人間の條件』を好んで観ていますが、ホラー映画は苦手で観ないとのことです。音楽への愛情も深く、特にトロンボーンを得意とし、大学時代にはジャズオーケストラに参加していました。意外なことにカラオケは好まないという趣味の部分も彼のユニークな魅力の一部です。

結論

前田新造のキャリアは、資生堂をはじめとする様々なポジションでの挑戦と改革の連続です。彼の努力と情熱は、化粧品業界におけるブランド戦略の発展に大きく寄与しており、その影響は今も多くの人に受け継がれています。

もう一度検索