前谷津川

前谷津川（まえやつがわ）

前谷津川は、東京都板橋区を流れる荒川水系の河川です。この川は全てが暗渠化されており、現在は前谷津川緑道などとして整備されたエリアで親しまれています。

概要

流路の長さは約4.8 kmで、赤塚新町（東武東上線の下赤塚駅の北西側）から北の方へ流れています。赤塚、徳丸、四葉、西台、高島平などの地域を経由して、新河岸川に合流します。

この川は、江戸時代から昭和初期にかけて、武蔵野台地の谷間を流れる自然の川として利用されていました。当初は蛇行しており、徳丸ヶ原では水路が安定していなかったものの、水田開発が進むにつれて用水堀としての役割が重要になっていきました。

1955年ごろには流域で宅地開発が始まり、川は次第に生活排水を受ける水路へと変化しました。1965年以降には高島平団地の開発が進み、下流部はコンクリートで護岸された人工的な水路となりました。1965年4月1日には一級河川として指定されましたが、昭和50年代中頃に蓮根川や出井川とともに暗渠化が進められました。

1977年4月18日に一級河川の指定は廃止され、1984年には全区間が暗渠化される結果となりました。その後、この区域は緑道として整備され、高島平地域の住民にとって大切な憩いの場となっています。

整備された緑道の上流部には「しのがや公園」があり、下流には「水車公園」が設置され、さらに小川が流れる公園や桜並木も整備されています。川の流路は台地から北へ向かって流れ落ちるため、急な勾配があり、かつては主に灌漑用水として利用されていました。特に高島平団地を通り抜けた下流部は川幅が広く、水門も今なお残るため、地元の人々にとって親しみ深い存在となっています。

周辺情報

前谷津川の周辺には、高島平駅や大東文化大学、さらに東京大仏などの詩的なスポットが点在しています。この地域は、川の歴史と自然環境が共存している場所でもあり、訪れる人々にとって多くの興味深い体験を提供してくれます。

関連項目

• - 日本の廃河川一覧
• - 廃川

前谷津川は、ただの川ではなく、歴史や地域文化が詰まった場所として、今でも多くの人々に愛され続けています。

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