劇団青年座

劇団青年座の歴史と現在

劇団青年座（げきだんせいねんざ）は、日本の演劇界において重要な地位を占める劇団の一つである。東京都渋谷区富ヶ谷に拠点を置き、1954年に創設されたこの劇団は、当初は「劇団俳優座」の準劇団員によって立ち上げられた。創立メンバーには、土方弘、氏家慎子、天野創治郎など10名が名を連ね、同年12月17日には俳優座劇場にて旗揚げ公演『第三の証言』（作・椎名麟三）が行われた。

創設当初、演劇界は翻訳劇が主流だったが、青年座は独自の創作劇上演に力を入れ、「創作劇の青年座」という活動方針を打ち立てていく。この方針は、次世代の演劇人や作品に受け継がれ今なお共感を呼んでいる。初期には厳しい状況が続いたが、多様な演目を通じて観客の支持を集め、次第にメジャーな劇団へと成長した。

現在、青年座には高畑淳子や山路和弘など、多くの俳優が在籍しており、さらには西田敏行が33年間にわたり中心俳優として活躍したことでも知られている。彼は2003年に劇団を退団したが、彼の足跡は今も多くの観客に記憶されている。また、竹中直人や津嘉山正種といった著名な俳優も、かつて青年座に所属していた。彼らの在籍は、劇団にとって大きな財産であり、演技や表現力の向上に多大な貢献をしてきた。

青年座は、その活動のみならず育成にも力を入れている。付属機関として「劇団青年座研究所」が設立され、新たな才能を伸ばすための演劇人養成を行っている。この研究所は、質の高い演劇教育を提供し、多くの演技者を世に送り出す役割を果たしている。さらに、劇団青年座は青年座映画放送株式会社を傘下に持ち、こちらは映画や放送の分野で活動する部門となって、1980年に独立した会社として設立された。

法人の概要として、劇団青年座は有限会社として登録されており、代表取締役には森正敏が就任している。また、取締役に高畑淳子、山本龍二、宮田慶子などが名を連ね、組織としてもしっかりとした体制を整えている。同様に、青年座映画放送株式会社の方でも映画放送部からの独立を果たし、自身の道を切り開いている。

青年座の創立から数十年が経過する中で、劇団は数多くの作品を世に送り出し、多くの観客から愛される劇団へと成長を遂げた。その活動は、演劇の新しい地平を切り拓き続けており、今後の演劇界でも大きな影響を与えることが期待されている。

もう一度検索