この作品は、
1999年に公開された『劇場版
ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕』で、
ポケットモンスターのアニメ版第2作目です。公開初日からその注目度は高く、同時上映された『
ピカチュウたんけんたい』と共に話題となりました。公開からの興行成績も素晴らしく、日本国内で62億円を超える収入を上げ、
1999年度邦画興行成績第1位を記録しました。北米でも上映されましたが、興行成績は4375万ドルと前作の半分に近いものでしたが、日本
映画としては北米で第2位の記録を達成しました。
本作の初期情報では、ルギアは「X」という謎のポケモンとして紹介されており、特報映像では
海面を移動する影だけが示されていました。脚本家の首藤剛志によると、
映画のプロモーション用に作られたシーンは本編には存在しない台詞も含まれているとのことです。キャッチコピーは「命をかけて、かかってこい!!」ですが、劇中の展開にはその台詞は含まれていません。
本作は主に豪華なアクションシーンを取り入れ、子供たちにも理解しやすい内容になっているものの、作品の根底には「他者との共生」や「個人主義の功罪」といった社会的なテーマも描かれています。しかし、前作が個人の存在に対する疑問を力強く語ったのに対し、今作はアクション重視のストーリー構成で、より深いメッセージは一見すると理解しにくく、前作よりも評価しづらい部分があります。物語の中心的な要素として、深層
海流が登場し、これは物語の流れを大きく左右します。
映画の時系列はアニメシリーズの第107話から第116話の間で展開され、特定のエピソードとの関連性も指摘されています。作品のパンフレットには、作中の
ミュウのポケモンカードが付属しており、コレクターにも嬉しいサービスとなっていました。
あらすじ
物語は、伝説の
海の神「ルギア」を狙うコレクター、ジラルダンが登場するところから始まります。彼はルギアを呼び寄せるために火、氷、雷の神々を捕まえようとします。一方、異常気象が発生し、サトシたちがオレンジ諸島を訪れる中、夏に雪が降るといった奇妙な現象が起きます。サトシはアーシア島に流れ着き、島の祭りで「操り人」に任命され、宝を集める役割を担います。
その後、サトシたちは炎の島でサンダー、ファイヤーを見つけるも、ジラルダンに捕らえられてしまいます。さらに勢いを増す神々の争いによって、自然のバランスが崩れ、世界は氷に覆われる恐れが高まります。サトシたちは神々を鎮める責任を担い、ルギアの助けを借りることになります。
登場キャラクター
- - サトシ: 主人公であり、ルギアを呼び寄せる「あやつり人」として選ばれ、冒険に挑みます。
- - カスミ: 水ポケモントレーナーであり、サトシの旅を支える仲間。
- - ジラルダン: 本作の悪役で、ルギアを捕獲するためにさまざまな手段を講じるキャラクター。
- - フルーラ: アーシア島の巫女で、重要な役割を果たす。
- - ルギア: 海の神として、終盤で登場し、サトシたちに助けを求めます。
本作は、ただのアクション
映画ではなく、世代を超えて楽しめるストーリーやメッセージを持っていることでも評価されています。公開当初から今日に至るまで、多くのファンに愛され続けている作品です。