劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス

劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス

『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス』は、2002年7月13日に公開されたポケットモンスターシリーズの劇場版第5作です。本作は、アニメ版からスピンオフした作品ではなく、オリジナルの物語が展開されます。舞台となる「アルトマーレ」は、イタリアのヴェネツィアをモデルにした美しい水の都で、映画全体に流れる水や自然の美が際立っています。

映画の冒頭では、過去を振り返るように、サトシたちの冒険が振り返られます。この映画は、彼の日常的な旅の途中で起こる物語であり、彼とその仲間たちが「水上レース」に参加するところから始まります。アルトマーレでは、美しい水上レースが行われており、カスミはこのレースで見事に優勝します。

レースの後、サトシは街の観光を楽しんでいる最中に、怪盗姉妹ザンナーとリオンに出くわします。彼は彼女を助けようとしますが、再び出会ったジャングルの中で、彼女が実は伝説のポケモン、ラティアスの姿を変えたものであることに気づきます。この出会いから、サトシはラティアスとその兄ラティオスとの友情を深めていきます。

物語の中で、サトシたちはアルトマーレに古くから伝わる「こころのしずく」の物語を知ります。この伝説は、かつて波打ち際で助けられた子供たちがラティオスとラティアスになり、邪悪な力から町を守るために立ち向かったというものです。彼らはその証として「こころのしずく」を残していきました。この宝石の力によってアルトマーレは守られ、今でもラティオスとラティアスがその力を見守っていると言われています。

しかし、物語はそれだけでは終わりません。怪盗姉妹が「こころのしずく」を狙い、サトシとラティアスが協力して彼らの邪悪な手からそれを守ろうと奮闘します。彼らは防衛システムを使い、悪と戦いますが、運命は厳しいもので、ラティオスが命を落としてしまいます。その瞬間、彼の命は新たな「こころのしずく」となり、町を見守る存在に変わります。

感動的なクライマックスを迎え、サトシはカノンという少女に出会い、彼女との心温まる交流を通じて新たな絆が築かれることになります。エンディングでは、彼女がラティアスの姿を持ちつつも、彼女自身の存在も暗示され、微笑ましいラストシーンで物語は幕を閉じます。

本作では、音楽面にも注目が集まります。アコーディオニストのcobaが手がけた楽曲が多く使用されており、特にオープニングテーマ「めざせポケモンマスター2002」とエンディングテーマ「ひとりぼっちじゃない」は印象的でした。これらの楽曲は物語の雰囲気を引き立て、多くのファンの心に残りました。

興行面では、公開初週にトップ4位にランクインしましたが、同時期に人気映画が公開されたため、苦戦を強いられました。しかし、作品そのものは高評価を受けており、特にアカデミー長編アニメ映画賞にノミネートされたこともその証です。

2022年には再上映が決まり、多くのファンに再びこの作品の魅力を届ける機会が訪れました。株を取ったり、懐かしさを感じながら、若い世代にも受け入れられることが期待されます。

この作品は、友情と冒険が織りなす感動の物語であり、ポケットモンスターシリーズの中でも特別な位置を占めています。サトシとラティアスたちとの出会い、そして彼らの成長と感動の物語は、多くの視聴者の心を掴んで離しません。

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