劉唐

劉唐 - 『水滸伝』の豪快な侠客

劉唐（りゅうとう）は、中国の古典小説『水滸伝』に登場する、著名な人物の一人です。彼は「赤髪鬼」と名乗る豪胆な侠客であり、梁山泊の第二十一位にランクされる好漢です。彼の外見は、色黒で非常に大きな体を持ち、特有の赤い痣が目立ちます。この特徴から、彼の渾名が付けられています。実は、元々は短足を指す「尺八腿」という名前もあったことがあり、彼の体格に関しての見方が異なることを示しています。

性格と特技

劉唐は性格的には非常に豪胆で義侠心が強い反面、思慮が足りないところもあります。戦闘ではいつも最前線で戦い、百人相手でもひるまず戦う腕前を持っており、特に朴刀と槍の使い手です。しかし彼は時々、その勇気が裏目に出ることもあり、無駄な争いを引き起こすこともあります。

その一方で、劉唐は非道な行為も行ったことがあります。具体的には、仲間の王英と共に青州城で無実の住民を襲撃し、無惨な結果を招くこともありました。彼は東潞州出身で、博打や情報収集を行いながら全国を放浪していた侠客でもあります。

活躍の物語

物語の中で、劉唐は寂しい人生を送りながらも、ある出来事をきっかけに梁山泊に加わることになります。北京大名府の留守司が宰相に贈る豪華な贈物を奪う計画を立てた彼は、有力者の晁蓋の助けを得るために行動を起こします。しかし、目論見のさなかに捕まり、不本意ながら晁蓋の助けを得るために金を支払うことになりました。

一旦自由になった後、彼は不満から晁蓋の金を取り返そうと雷横と争いになり、この騒動の中で仲間たちと出会います。その後、彼は晁蓋らと協力し、財宝を奪取して梁山泊に逃れました。彼の豪胆な性格はすぐに仲間から評価され、新たに指導者となった晁蓋のもとでその地位を確立します。

その後の冒険では、劉唐は情に厚い一面を見せつつ、戦場では立ち向かう勇気を見せました。特に、宋江に謝礼の金を届ける任務を果たすなど、彼の活躍は続きます。さらには官憲への潜入活動や、仲間の救出にも尽力しました。一方で、彼の突っ込みすぎの性格はしばしば問題を引き起こし、戦でも捕虜となることが多々ありました。

悲劇的な結末

劉唐は梁山泊の仲間にとって欠かせない存在でしたが、その運命には悲劇が待っていました。方臘との戦いにおいて、劉唐の突っ込みすぎが災いし、敵城内に突入した際に落ちた城門の扉に押しつぶされて命を落とします。彼の死は仲間たちに深い悲しみをもたらし、特に宋江は「長い戦いを共にしてきた兄弟をこのような形で失うとは思わなかった」と深く嘆きました。

彼の波瀾万丈の人生は、侠客としての勇気や仲間との絆、そして悲劇的な死を通じて、読者に強いメッセージを残しています。

もう一度検索