加トちゃんケンちゃん ファンタジーワールド

お正月スペシャル 加トちゃんケンちゃん ファンタジーワールド

『お正月スペシャル 加トちゃんケンちゃん ファンタジーワールド』は、1989年1月3日の19時から放送されたテレビ人形劇で、TBSが制作しました。この番組では、加藤茶さんと志村けんさんがメインホストとなり、世界の名作童話を独自のコメディスタイルで再構築した内容が描かれています。

番組はオムニバス形式で構成されており、4つの異なる物語が展開されます。各作品では、主要キャラクターの声を人気タレントや歌手が担当し、その人物に似せた人形も制作されています。この試みは、過去に同局で放送された人形劇『ヤンマーファミリーアワー 飛べ!孫悟空』の成功を踏襲したもので、当時の視聴者に新鮮な楽しみを提供しました。

キャストと物語の概要

シンドバットの冒険

シンドバット（志村けん）がの主人公の物語で、幻の水晶を探す旅に出かけます。シンドバットは船酔いが激しく泳ぎも得意ではないという悩みを抱えています。彼の婚約者セシール（浅香唯）は、無事に帰ってくることを心待ちにしています。船乗りキャプテン加藤（加藤茶）がシンドバットを乗せ、仲間たちとともに冒険に挑む様が描かれます。

この物語には、様々なキャラクターが登場します。たとえば、シンドバットを背中で振り落とす巨大なクジラや、幻の水晶を守っている巨人王（コロッケ）の存在も忘れてはいけません。物語が進むごとにシンドバットと仲間たちは、様々な困難に直面しながらも、友情の力で乗り越えていきます。

はだかの王様

この物語では、加藤茶演じる王様が日常の退屈さに悩んでおり、大臣（志村けん）は彼を楽しませようと奮闘します。王様の部下たちは大臣の小話に爆笑し、騒がしい城の様子が描かれます。さらに、コロッケが本人役で登場し、得意のものまねで国王を笑わせるシーンも見どころの一つです。

人魚姫

物語は、工藤静香が声を担当した人魚姫の夢と恋を描きます。彼女は地上の世界に憧れ、船上で行われた誕生日パーティで田原俊彦演じる王子に出会います。王子も人魚姫に一目惚れし、彼女と結ばれようと奮闘する様子が描かれます。家来たちや登場する海の生き物たちにもそれぞれ個性があり、コメディ風に楽しく表現されています。

オズの魔法使い

物語の最後は、荻野目洋子扮するドロシーが登場し、竜巻でマンチキン国に飛ばされる冒険が始まります。加藤茶が担当するかかし、志村けんのブリキ、そして高木ブーのライオンなど、仲間たちの願いを叶えるためにオズの大王のもとを目指します。最後には、オズの大王が登場し、ドロシーに試練を課すシーンも描かれます。

終わりに

この特番は放送後、加藤茶と志村けんがメインのレギュラー番組が予定されていましたが、昭和天皇の崩御に伴う特別編成で放送が中止され、そのため『加トちゃんケンちゃんファンタジーワールド』は「昭和最後のTBSで放送された加トケン番組」として記憶に残ることになりました。ここに登場する人形たちや声優たちのパフォーマンスが、多くの視聴者に愛される名作となったことは間違いありません。

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