加納朋之

加納 朋之

加納 朋之（かのう ともゆき）は、1962年5月4日に東京都で誕生した日本の俳優である。彼は、日本の演劇界において長い歴史を持つ文学座に所属し、数多くの舞台作品を中心にその才能を発揮している。

来歴

加納は、俳優を志し、1983年に文学座付属演劇研究所に入所した。ここで基礎から演技を学び、研鑽を積んだ後、1988年には文学座の座員として迎え入れられた。以来、彼は文学座の中心的な俳優の一人として活動を続けている。

主な活動

加納の俳優としてのキャリアは、主に舞台を中心に展開されている。文学座本公演はもちろんのこと、アトリエ公演や他の劇団、プロデュース公演にも積極的に参加し、その活動範囲は多岐にわたる。

彼の記念すべき初舞台は、座員となる前の1986年に文学座本公演として三越劇場で上演された『怪談 牡丹燈籠』であった。この作品には、後年（1995年、1998年）も文学座本公演や俳優座劇場での上演版で繰り返し出演しており、彼の代表作の一つと言える。

1980年代後半から1990年代にかけては、文学座の重要な作品である『好色一代女』にも複数回出演（1988年、1993年）したほか、『あるポーランド神父の死』（アトリエ）、『煮えきらない幽霊たち』（紀伊國屋ホール）といった文学座の公演に参加。

また、この時期から外部の企画にも頻繁に出演している。劇工房ライミングとの関わりも深く、『コメディ・オブ・おおまちがい！』、『プリマスの黄金』、『ザ・デザート・エア』、『モリエールあるいはファルスの條件』など、ベニサンピットを中心に多くの作品でタッグを組んだ。その他、『コープス』（パルコ劇場）、『冬物語』（シェイクスピアシアター）、『遺産らぷそでぃ』（青年劇場）、『橋姫』（堀事務所）など、様々なカンパニーや企画に参加し、俳優としての幅を広げた。

2000年代に入ってもその精力的な活動は衰えることはなかった。文学座ではアトリエ公演『心破れて』や本公演『峠の雲』（三越劇場）、『龍の伝説』（紀伊國屋ホール）、『退屈な時間』（アトリエ）などに出演。外部では、『渥美清子の青春』（プロツーカンパニー）、『花咲くチェリー』（地人会＋文学座協力）、『愛の勝利』（テアトロサンノーブル）、『Train coming』（青年団）、『ハーフ・ライフ』、そしてH.H.Gという団体との継続的な協働による『きゅうりの花』『約三十の嘘』、『土の中の教師たち』シリーズ、『燕のいる駅』、『893鴉たちの行方』など、小劇場から大劇場まで様々な規模、様々なテイストの作品に参加している。

特筆すべきは、2012年の『櫻の木の上、櫻の木の下』の韓国公演や、2014年の『893鴉たちの行方』地方公演など、活動の場が東京圏に留まらない点である。また、文学座アトリエ公演『いずれおとらぬトトントトン』（2019年）など、近年までコンスタントに舞台に立ち続けている。

舞台俳優としての確固たる地位を築く一方で、加納はテレビドラマやCMにも出演し、活動の領域を広げている。テレビでは『但馬屋のお夏』、『若大将天下ご免』、『遺留捜査』など、時代劇から現代劇、サスペンスまで多様な作品に出演。CMでは、ダイワハウスや養命酒といった全国的な企業の広告にも登場し、その顔と声はお茶の間にも届けられている。

さらに、加納は俳優として舞台に立つだけでなく、演出家としても活動している。2010年には『春を待ちながら』の演出を手掛けるなど、演劇に対する深い理解と情熱を、多角的な形で表現している。

文学座を拠点としながらも、外部の様々な企画にも積極的に参加し、常に新しい挑戦を続ける俳優、それが加納朋之である。その長いキャリアの中で培われた表現力と存在感は、多くの観客を魅了し続けている。

外部リンク

文学座 加納 朋之
加納朋之 - 日本タレント名鑑
加納朋之 - タレントデータバンク

出典: 上記情報は、主に文学座公式サイトおよび関連情報に基づいています。*

もう一度検索