加藤義宗

加藤 義宗

俳優としての歩み

加藤義宗（かとう よしむね）は、1980年1月14日に東京都で生まれた日本の俳優である。彼は俳優・演出家である加藤健一を父に持つ。

俳優の道に進んだ義宗は、1996年に加藤健一事務所のプロデュース公演『私はラッパポートじゃないよ』で初めて舞台に立った。これを機に、本格的に演劇を学ぶため、加藤健一事務所が主宰する俳優教室に17期生として入所。基礎から演技を学び、俳優としての土台を築いた。

舞台を中心に多岐にわたる活動

加藤義宗の活動の中心は舞台であり、特に父である加藤健一が率いる加藤健一事務所の公演には深く関わっている。同事務所の多くの作品に出演し、『煙が目にしみる』（2005年）の野々村亮太役、『パパ、I LOVE YOU!』（2009年）のレズリー役など、様々な役を演じてきた。中でも、『シュペリオール・ドーナツ』（2012年）では主演のフランコ・ウィックス役を、『モリー先生との火曜日』（2013年）では同じく主演のミッチ・アルボム役を務めるなど、主要な役どころでその実力を示している。また、『Be My Baby〜いとしのベイビー〜』には複数回にわたり出演するなど、加藤健一事務所作品において重要な役割を果たしている。近年も精力的な舞台出演は続いており、『叔母との旅』（2021年）、『サンシャインボーイズ』（2022年）、『夏の盛りの蝉のように』（2022年）、『ちいさき神の、作りし子ら』（2024年）、『灯に佇む』（2024年）、『詩人の恋』（2024年）など、意欲的に舞台に立ち続けている。

加藤健一事務所以外にも、幅広い劇団やプロデュース公演に客演している。スタジオライフ制作の『フルーツバスケット』（2009年）では草摩潑春役を、東宝とコマ・スタジアムによる『ええから加減』（2012年）では大神アキラ役を演じた。また、劇団往来の音楽劇『チンチン電車と女学生』や、華のん企画による『子供のためのシェイクスピア ロミオとジュリエット』（2015年）では主演のロミオ役を務めるなど、古典から現代劇、音楽劇までジャンルを問わず活動している。KAAT神奈川芸術劇場プロデュースやエイベックス・エンタテインメント制作の公演など、大規模な舞台作品への出演経験も豊富である。

自身のユニット「義庵」の設立

俳優としてキャリアを積む中で、加藤義宗は自身の表現を追求する場として、2020年にプロデュースユニット「義庵」を立ち上げた。同年の旗揚げ公演として『審判』を上演し、主演のアンドレイ・ヴァホフ役を務めた。この『審判』は2022年にも再演されており、自身のユニット活動にも継続的に取り組んでいる姿勢が見られる。

映像や声の分野での活躍

舞台での活躍に加え、加藤義宗はテレビドラマ、映画、CM、ラジオといった様々なメディアでも活動の幅を広げている。

テレビドラマでは、『ウルトラQ dark fantasy』や『ギラギラ』に出演したほか、『鉄道警察官・清村公三郎』シリーズや『信州あづみ野の名刑事 道原伝吉の捜査行』といった人気二時間ドラマシリーズにも登場している。2021年には千葉テレビ開局50周年記念ドラマ『チバケンのマツモトさん。』で今井進役を演じた。

映画では、『歌うヒットマン！』（2011年）や『ハケンアニメ』（2022年）といった作品に出演。

さらに、日本コカ・コーラや高橋酒造、アクサ生命保険などのCMにも出演し、多様な媒体を通じてその存在感を示している。声の出演としては、NHK-FMの青春アドベンチャー『イレーナの帰還』（2020年）や、TBSラジオのAudioMovie『偉人伝by川口技研』（2021年）など、ラジオドラマやオーディオコンテンツにも参加している。

俳優・加藤健一を父に持ち、幼い頃から演劇に触れる環境で育った加藤義宗は、そのキャリアを通じて舞台俳優としての確固たる地位を築き上げてきた。自身のユニット設立など、新たな挑戦にも意欲的に取り組む彼の今後の更なる活躍が期待される。

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