動圧

動圧：流体の運動エネルギーを表す圧力

動圧とは、流体の運動エネルギーを圧力の単位で表したものです。簡単に言うと、流れる流体の勢いを圧力として表現した指標です。高速で流れる流体ほど、大きな動圧を持ちます。

動圧の大きさは、[流体]]の密度と速度によって決まります。密度が高く、速度が速いほど、動圧は大きくなります。正確には、動圧(q)は流体の[[密度]と速度(u)を用いて以下の式で表されます。

\(q = \frac{1}{2}ρu^2\)

この式からもわかるように、速度(u)は二乗で効いてくるため、速度が速くなると動圧は急激に増加します。例えば、速度が2倍になれば動圧は4倍になります。

ベルヌーイの定理との関係

動圧は、ベルヌーイの定理と密接に関連しています。ベルヌーイの定理は、非粘性・非圧縮性流体の定常流において、位置エネルギー、静圧、動圧の和が一定であるというものです。位置エネルギーを無視できる場合、以下の式が成り立ちます。

\(\frac{1}{2}ρv^2 + p = 一定\)

ここで、\(\frac{1}{2}ρv^2\)は動圧(q)、pは静圧を表します。この式は、流体の速度が速くなると動圧が増加し、静圧が減少することを示しています。つまり、高速で流れる流体では、動圧が大きくなり、静圧は小さくなります。逆に、速度が遅くなると動圧は減少し、静圧は増加します。

静圧との違いと総圧

静圧は、流体が静止している状態での圧力です。一方、動圧は、流体の運動によって生じる圧力です。静圧は、流体の密度と重力加速度、そして高さによって決まります。

動圧と静圧の和を総圧（またはよどみ点圧、全圧）と呼びます。総圧は、流体が完全に静止した状態（よどみ点）での圧力に相当します。ベルヌーイの定理によれば、総圧は流路全体で一定に保たれます。

動圧の応用例

動圧は、航空力学や流体力学の様々な分野で利用されます。例えば、航空機の翼にかかる揚力は、翼の上面と下面の動圧差によって生じます。また、ピトー管という計測器は、動圧を測定することで流体の速度を計測するために用いられています。

まとめ

動圧は、流体の運動エネルギーを圧力の単位で表したものです。ベルヌーイの定理、静圧、総圧と密接に関連しており、流体力学の様々な現象を理解する上で重要な概念です。ピトー管など、様々な計測機器や現象の理解に役立っています。今後、流体力学を学ぶ上で、動圧の概念をしっかり理解しておくことは非常に重要です。

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