勘定系システム

勘定系システム（Core Banking System）

勘定系システムとは、主に銀行や金融機関が会計処理を行うために必要不可欠なシステムを指し、正確には「コア・バンキング」などとも呼ばれます。このシステムは、1960年代以降のコンピュータ技術の進歩に伴い、急速に普及しました。現在では、各金融機関が円滑な業務運用を実現するための中核的な役割を果たしています。

銀行における役割

勘定系システムの狭義には、預金勘定元帳の管理や、ATMネットワークとの接続、対外システムとの連携を制御する機能が含まれます。一般にこのシステムは、銀行の基幹系システムの中心を成していると考えられています。そのため、時に勘定系システムは、情報系システムやチャネル系システムなど、銀行業務全般を指す用語としても使用されることがあります。

近年では、UNIX系やPCサーバを活用したオープン勘定系システムも登場していますが、依然として多くの金融機関がメインフレームを導入しており、高い信頼性と処理能力を求める環境には、未だにメインフレームが広く使用されています。このようなシステムに対する投資は巨額であり、システムベンダーにとっても重要なビジネスチャンスとなります。

開発の歴史

日本における銀行のコンピュータ活用は1958年に始まり、当初は手形や小切手の処理等がメインでした。その後、銀行業においてもコンピュータシステムが進化し、さまざまなオンラインシステムが構築されていきました。

勘定系システムは、しばしば開発進捗に応じて「第x次オンラインシステム」と称されることがあります。ここでは、3つの主要な世代の進展を概観します。

第一次オンラインシステム（1960年代まで）

この時期はシステム概念の黎明期であり、銀行本店において基本的な勘定処理が試行されていました。システム運用は手探りの状況で、まだまだ未熟でした。

第二次オンラインシステム（1970年代）

支店間のオンライン接続が広まり、真の意味でのオンラインバンキングが始まりました。この過程で、外国製のシステムから国産のものが主流となり、ソフトウェアの開発技術も進化していきました。しかし、勘定系と情報系が分離されることにより、業務処理の複雑化も進みました。

第三次オンラインシステム（1980年代）

この時期は顧客情報の管理が重要視され、システムは営業支援の役割も果たすようになりました。自動支払機の普及など、テクノロジーの影響により、オンラインシステムはさらなる進化を遂げました。

ポスト三オン時代（1990年代以降）

1990年代には、バブル経済の崩壊とともに金融機関はシステム刷新に対して慎重になり、新たな技術革新が求められました。この時期には銀行間でシステムの規模や機能の差異が出始め、大規模合併が行われる中、システム統合が重要視されることとなりました。

現代の勘定系システム

現在では、勘定系システムは個別の金融機関だけでなく、共同開発やアウトソーシングを通じて多様な形態で運用されています。地方銀行などは特に、経費削減を目的とし、システムを外部に委託する事例が増加しています。

まとめ

勘定系システムは、銀行業務において極めて重要な存在であり、その技術革新やシステム統合の動向は、今後の金融業界を左右する要因となります。金融機関はこのシステムの進化に伴い、競争力を維持するための努力を続けているのです。

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