勝ち抜き!アイドル天国!!ヌキ天

番組概要

「勝ち抜き!アイドル天国!!ヌキ天」（略称：ヌキ天）は、かつて動画配信プラットフォームGyaOにて展開されたオリジナルバラエティ番組、兼アイドルオーディション企画である。2007年11月14日にスタートし、2009年10月28日の最終回まで、約2年間にわたり隔週で配信された。この番組の最大の目的は、未来のスターを目指すアイドルたちに、特設ライブ会場でのパフォーマンスを通じて競い合わせ、メジャーデビューへの道を開くことであった。

参加アイドルは、審査員による評価と、番組初期にはWeb投票も参考にされながら、連続で4週勝ち抜くことを目指した。見事4週連続で「勝ち抜き」の判定を得たアイドルには、「ヌキ天クイーン」の称号が与えられ、CDデビューやグラビアDVDリリース、GyaOでのレギュラー出演など、メジャーアイドルとしての強力なバックアップが約束されていた。

番組の進行は、当初、東京ミッドタウン内のスタジオから生放送形式で行われていたが、後に収録形式へと変更された。しかし、番組は協賛企業の財政状況悪化という不測の事態に見舞われる。これにより、当初予定されていた優勝者への十分なデビュー支援が行われないまま、番組は最終回を迎えることとなった。オーディション番組としての目的を完全に果たせなかった点は、番組の歴史における重要な側面である。

番組の変遷と特徴

「ヌキ天」は、その放送期間中にいくつかの「部」に分かれ、ルールや形式が変更された。初期にはWeb投票の結果が重要な要素となり、敗者が再び挑戦できる「ヌキ返しプリンセス」という制度も存在した。審査方法も週を重ねるごとに合格に必要な審査員数が厳しくなる階段式のシステムが採用された。例えば、1週目は5人中2人、2週目は3人、3週目は4人、そして4週目で全員一致の合格が必要とされた。

途中からは生放送から収録へと切り替わり、出場者の事前公開なども廃止されるなど、番組のスタイルに変化が見られた。また、一度失格した挑戦者が再起を目指す「リベンジステージ」といった企画も実施された。このリベンジステージからの挑戦者は、通常の参加者よりも有利な状況でスタートが認められるなど、多様な挑戦の機会が設けられていた。

番組の歴史の中で、様々なアイドルが挑戦したが、4週勝ち抜きを達成し「ヌキ天クイーン」の称号を得たのはNegicco（2代目）のみであった。また、企画ユニットであるたれめのロリーズや、挑戦中にデビューが決定したPLIMEなども「名誉ヌキ天クイーン」として扱われた。

主な出演者

番組を進行するMCを務めたのはスピードワゴンと土岐田麗子であった。審査員は時期によって顔ぶれが変わったが、音楽プロデューサーや芸能記者に加え、松崎しげる、ブラザートム、ROLLY、吉田豪など、多様な分野の著名人が参加し、アイドルのパフォーマンスを評価した。

多くのアイドルが挑戦者として出演し、その中にはStarmarie、Survivё、Cutie Paiといった後に知られるようになるグループや、Negiccoのようにヌキ天クイーンとなったグループも含まれる。また、ゲストとして美勇伝やメロン記念日、時東ぁみといったアイドルが出演することもあった。

番組の節目には「ヌキフェス」というイベントも開催され、多くの挑戦者や関係者が集結した。最終回は「輝け!!ヌキ天オールスターズ大集合！　グランドフィナーレ」と題され、これまでの歩みを振り返るとともに、最後のヌキフェスの模様が放送された。

終焉

「勝ち抜き!アイドル天国!!ヌキ天」は、約2年間の歴史に幕を閉じた。多くのアイドルが夢を追いかけた舞台であったが、最終的に番組が掲げた「メジャーデビュー支援」を十分に果たせなかったことは、番組の結末を語る上で避けて通れない事実である。しかし、この番組を経験したアイドルたちの多くが、その後もそれぞれの場所で活動を続けている。番組制作は主にUSENとKYORAKU MIBROが担当し、株式会社メディアスパイスが協力した。2009年11月30日をもって、関連コンテンツの配信も終了し、「ヌキ天」は完全にその歴史を終えた。

勝ち抜き!アイドル天国!!ヌキ天