勝山町並み保存地区

勝山町並み保存地区：歴史と文化が息づく美しい町並み

岡山県真庭市勝山に位置する勝山町並み保存地区は、1985年（昭和60年）に岡山県で初めて町並み保存地区として指定されました。この地区は、かつて美作勝山藩2万3千石の城下町として栄え、出雲街道の要衝として重要な役割を果たしていました。

城下町の面影を今に伝える町並み

勝山町並み保存地区には、白壁に格子窓が並ぶ家々、趣のあるなまこ壁の収蔵庫、かつて高瀬舟が発着していた場所など、数多くの歴史的な遺産が残されています。これらの建造物は、城下町としての勝山の繁栄を物語っており、訪れる人々に往時の面影を偲ばせてくれます。

町並み保存への取り組み

旧勝山町は、1986年（昭和61年）から1990年（平成2年）にかけて町並み保存地区整備事業を実施しました。この事業では、中町の旧電報電話局を「郷土資料館」として改修し、江戸時代の建築様式を伝える旦地区の武家屋敷・旧渡辺邸を「武家屋敷館」として整備しました。また、中橋のガードレールを擬木の欄干に改修するなど、景観に配慮した整備も行われました。

1993年（平成5年）から1997年（平成9年）にかけては、「のれんのまちづくり」と呼ばれるまちづくり活動や、「勝山のお雛まつり」といったイベントが開催され、町並みの活性化が図られました。さらに、2000年（平成12年）から2014年（平成26年）にかけては、まちづくり交付金事業による生活環境空間整備や、勝山文化往来館ひしおの設置運営など、アートを活用したまちづくりも展開されました。

現在では、NPO法人勝山・町並み委員会が中心となり、地元の染織家による手作りののれんが多くの家々の軒先を飾り、美しい景観を作り出しています。

主な施設・観光スポット

高瀬舟発着跡： 旭川の最上流の船着き場として、かつては物資輸送の要でした。
勝山文化往来館ひしお： 明治時代中期のしょうゆ蔵を改修した文化施設で、コンサートや展示会が開催されています。
勝山郷土資料館： 商家に関する資料や民俗資料が展示されており、勝山の歴史を学ぶことができます。
大雲寺： 推定樹齢300年の松がある古刹です。
明徳寺： 円応正燈国師の生誕地にある寺院で、本尊の聖観音像は岡山県の指定文化財です。

イベント

勝山のお雛まつり： 毎年3月に行われるイベントで、町並みが雛人形Dueで彩られます。
勝山喧嘩だんじり： 毎年10月に行われる勇壮な祭りです。
ふるさと勝山もみじまつり： 毎年11月に行われる紅葉の季節のイベントです。
* 勝山町並み体験クラフト市： 毎年11月下旬に開催される、手仕事体験ができるイベントです。

文学との関わり

勝山は、谷崎潤一郎や永井荷風といった文豪も訪れた地であり、谷崎潤一郎は勝山滞在中に「細雪（下巻）」を執筆しました。

勝山町並み保存地区は、歴史的な建造物や美しい自然、そして地域の人々の温かいもてなしが魅力の観光スポットです。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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