北ガス石狩発電所

北ガス石狩発電所は、北海道石狩市にある石狩湾新港に位置する火力発電所です。北海道ガス（北ガス）が自社電源として、石狩LNG基地内に建設されました。北海道内では初となる天然ガスを燃料とした発電設備を有し、環境負荷の低減に貢献しています。

概要

この発電所の特徴は、複数のガスエンジンを設置することでリスク分散を図っている点です。合計10台のガスエンジンを備え、需要変動に応じて柔軟に出力を調整できる設計となっています。これにより、電力需要のピーク時や緊急時にも安定した電力供給が可能です。

また、発電時に発生する排熱をLNG基地内で有効活用している点も大きな特徴です。排熱をLNGの気化プロセスやその他の用途に利用することで、エネルギー効率を高め、環境への負荷を低減しています。このような熱利用システムは、発電所の経済性を向上させるだけでなく、持続可能なエネルギー供給にも貢献しています。

2018年に発生した北海道胆振東部地震では、電力供給が大幅に不足する事態となりました。そのような状況の中、北ガス石狩発電所は、試運転段階であったにもかかわらず、予定を約1ヶ月前倒しして稼働を開始し、北海道電力への電力供給に貢献しました。この迅速な対応は、地域社会の電力安定化に大きく貢献しました。

設備

北ガス石狩発電所の主な設備は以下の通りです。

発電機: 7,800kWガスエンジン × 10台
ラジエーター
排熱回収ボイラ
ボイラー排気筒
通信ケーブル
蒸気配管・ガス配管・送電線

これらの設備は、高度な技術によって効率的に連携し、安定した電力供給を実現しています。特に、排熱回収ボイラは、発電効率を高める上で重要な役割を果たしており、環境負荷の低減に貢献しています。

環境への配慮

北ガス石狩発電所は、環境への配慮を重視した設計となっています。天然ガスを燃料とすることで、石炭や石油などの化石燃料に比べて二酸化炭素の排出量を削減しています。また、排熱の有効活用や低NOx燃焼技術の導入などにより、環境負荷を最小限に抑えるための取り組みを行っています。

地域社会への貢献

北ガス石狩発電所は、地域社会の電力安定化に貢献するだけでなく、経済の活性化にも寄与しています。発電所の建設や運営には、地元の企業や人材が積極的に活用されており、雇用の創出にもつながっています。また、地域住民への電力供給を通じて、快適な生活を支える役割も担っています。

今後の展望

北ガス石狩発電所は、今後も安定的な電力供給を続けるとともに、再生可能エネルギーとの連携や更なる環境負荷の低減に向けた取り組みを進めていくことが期待されています。また、地域社会との連携を強化し、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されています。

参考資料

“高効率天然ガス発電「北ガス石狩発電所」営業運転開始” (PDF). 北海道ガス (2018年10月11日). 2018年10月19日閲覧。

関連項目

日本の火力発電所一覧
石狩湾新港地域
石狩湾新港発電所

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