北一色町 (名古屋市)

北一色町の歴史と変遷

北一色町（きたいしきちょう）は、愛知県名古屋市中川区に位置していた歴史的な町名です。この町名は、かつての愛知郡北一色村を起源としており、江戸時代から続く由緒ある地域です。しかし、今日では町名の整理に伴い廃止されています。

町名の由来

「一色」という名称は、年貢が一種類だけだった土地を指すとされていることから、荘園に関する言葉としてのルーツがあると考えられています。また、地名は室町時代から記録として残っており、1446年の文書には「則武北一色」との記述があり、当時の則武郷の一部分と位置付けられていたことがわかります。

行政区画の変遷

北一色町は1889年に愛知郡北一色村としてスタートしましたが、その後様々な合併や編入を経ることで、何度も町名が変更されていきました。

• - 1889年（明治22年）: 愛知郡北一色村が合併し、愛知郡笈瀬村大字北一色に変わりました。
• - 1904年（明治37年）: 笈瀬村が町制を施行し、愛知郡愛知町大字北一色となります。
• - 1921年（大正10年）: 愛知町が名古屋市に編入され、名古屋市中区北一色町と改名されました。
• - 1930年（昭和5年）: 中区北一色町の一部が広川町に編入されました。
• - 1931年（昭和6年）: 一部が笈瀬町、舟戸町、中京通、五月通、三池町に分配されました。
• - 1933年（昭和8年）: 中区北一色町の一部が運河通の一部に追加され、さらに五月通に編入されました。
• - 1937年（昭和12年）: 中村区の新設とともに、中村区北一色町となりました。
• - 1938年（昭和13年）: 4月には一部が愛知町に、9月には中川区に編入され、中川区北一色町が形成されました。
• - 1941年（昭和16年）: 町名が次々に分散され、中川区北一色町は北畑町と畑江通の一部となり、最終的に廃止されました。
• - 1942年（昭和17年）: 中村区の北一色町が中川区北一色町となりました。
• - 1944年（昭和19年）: 最後に中村区北一色町が中川区に再編されました。

結論

北一色町の歴史は、名古屋市の発展における重要な部分を占めています。多くの合併や分散を経て、地域の形は変化しましたが、その名は愛知の歴史に深く根付いています。地名は単なる住所だけでなく、地域に生きた人々の歴史や文化を物語るものでもあります。名古屋の町名には、そんな物語が詰まっています。

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