北川賢一

北川賢一（きたがわけんいち）は、1980年 8月25日生まれの日本の音楽家です。歌手およびシンガーソングライターとして活動しており、特に日本のロックバンド、ロードオブメジャーの元ボーカリストとして広く知られています。愛称は「けんちゃん」。兵庫県神戸市の出身で、乙女座、血液型はA型です。

略歴

彼の音楽キャリアは高校時代にバンド活動を始めたことに端を発します。2002年、テレビ東京系列で放送されていた番組『ハマラジャ』が企画した「メジャーデビューを目指す最強バンド結成」というオーディションプロジェクトに参加。その企画でボーカリストとして選出され、後に日本の音楽シーンに大きな足跡を残すロードオブメジャーが結成されました。

バンドは結成当初、「オリコンチャート初登場50位以内に入らなければ即解散」という厳しい条件を課せられましたが、これをクリアし、メジャーデビューへの切符を掴みます。同年8月28日には、インディーズからのデビューシングル『大切なもの』をリリース。この楽曲は驚異的なセールスを記録し、ミリオンヒットを達成しました。

ロードオブメジャーの楽曲は、そのほとんどを北川賢一氏自身が作詞・作曲を手掛けていました。2003年にはシングル『雑走/足跡』や『僕らだけの歌』を発表し、同年9月24日にリリースした1stアルバム『ROAD OF MAJOR』は、インディーズバンドとしては史上初のオリコンアルバムチャート初登場1位という快挙を成し遂げました。この記録は2018年時点においても破られていない金字塔です。

そして2004年11月17日、シングル『心絵』で待望のメジャーデビューを果たします。この曲はNHK教育テレビのアニメ『MAJOR』の主題歌として起用され、広く親しまれました。その後も2005年に2ndアルバム『ROAD OF MAJOR II』を含む複数のシングルを、2006年にはアニメ『MAJOR』第2シリーズの主題歌『さらば碧き面影』や阪神タイガース戦中継のテーマソング『ENERGY』といったヒット曲を次々と発表。資生堂「シーブリーズ」のCMでは声優としても参加しています。

2007年3月には、事実上のラストシングルとなったアニメ『MAJOR』第3シリーズ主題歌『PLAY THE GAME』と、初のベストアルバム『GOLDEN ROAD 〜BEST〜』をリリース。しかし、原点を見つめ直し、自分たちの音楽を再構築する必要性を感じたバンドは、同年7月3日をもって解散することを発表しました。

バンド解散後、北川賢一氏は一度、自分自身と向き合うための旅に出ますが、ファンへの想いから早期に帰国を決意。同年10月13日には、「北川けんいち」名義でのソロ活動をスタートさせました。公式ウェブサイトを開設すると、アクセスが殺到しサーバーがダウンするほどの注目を集めました。活動初期には、開催した個展のチケットが即完売するなど、ロードオブメジャー時代から変わらぬ人気の高さを証明しました。また、実弟とのラジオ番組や講演活動、書籍の出版、Podcast番組の開始など、音楽以外の分野でも多様な活動を展開しました。

ソロ活動では、多くの配信限定シングルを精力的にリリースし、その中にはレコチョクのチャートで1位を獲得する楽曲も生まれました。定期的にライブツアーも開催し、ファンとの交流を深めていきます。2010年4月3日には、一般女性との結婚を発表しました。

その後もアルバムリリースを重ねながら活動を続け、2015年には解散以来初めてロードオブメジャーのメンバーが集結するイベントに参加。そして2016年には、約4年ぶりとなる4thアルバム『BROWN』をリリースしました。

2019年からは、株式会社コルクに所属し、「けんいち」名義で活動を再開。毎月25日に新曲を配信するなど、積極的に音楽を発表しています。また、定期的にインスタライブを行い、ファンに向けて音楽やメッセージを届け続けています。

2023年には、かつてのバンド活動が再び注目を集める出来事がありました。3月にはTBS系列の番組『ラヴィット！』にロードオブメジャー時代の盟友である近藤信政氏と共に出演し、「大切なもの」を披露。その演奏は大きな反響を呼び、Twitterのトレンド入りを果たしました。同年8月には、再び近藤氏と共にイベントに参加することが発表されるなど、ロードオブメジャーとしての軌跡も現在の活動に繋がっています。

人物

北川賢一氏は、「仲間」「家族」「音楽」といったキーワードと共に、「人と人との繋がり」「自分」「地元」「時間」「心」といった価値観を非常に大切にしています。ソングライターとしては、ロードオブメジャー時代から一貫してほぼ全ての楽曲の作詞・作曲を手掛けており、その歌詞には時に「〜です」「〜ます」といった敬語表現が用いられることも特徴です。

幼少期から阪神タイガースの熱狂的なファンとしても知られており、2006年には大阪ドームで行われた阪神タイガース戦で君が代を独唱する機会を得ました。また、神戸デザイナー学院の出身であり、ロードオブメジャー加入以前は「WALTHER P38」というバンドで活動していた経歴も持ちます。

その他

ディスコグラフィーとして、多数のシングル、配信限定シングル、アルバム、そしてソロ活動に関する書籍を発表しています。ライブ活動も非常に活発で、ワンマンツアーや単独イベント「北川けんいちんち」シリーズ、各地のライブイベントに数多く出演しています。過去には自身の作品や世界観を示す個展も開催し、好評を博しました。CMでは資生堂やイオンの企画に参加した経験もあります。

ロードオブメジャー解散からソロ活動、そして現在の「けんいち」としての活動に至るまで、音楽と真摯に向き合い、ファンとの絆を大切にしながら表現を続けているアーティストです。

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