北斎場

大阪市立北斎場の概要

大阪市北区長柄西に位置する「大阪市立北斎場」は、市営の火葬場および斎場として、日本の伝統的な葬儀文化を支えています。この施設の起源は1875年に遡ります。当時、大阪府で火葬が禁止されていましたが、その規制が解除された後、翌年の1876年に民営の火葬場である長柄葬儀所が設立されました。これが北斎場の前身です。

1907年には公共性を重視する動きが強まり、大阪市が長柄葬儀所を含む4つの民営火葬場を買収しました。これにより、大阪市営火葬場としての事業が始まります。その後、1937年に施設の老朽化が深刻化したため、改修工事が行われ、現代的な重油炉30基や大小の式場が完成しました。1940年には「長柄葬儀所」という名称から「長柄斎場」に改名され、1943年に現在の「北斎場」に名が変わりました。

北斎場は1955年には戦時中の薪炭炉から重油式火葬炉15基へと設備を改築し、1970年代にはさらに燃料を灯油に切り替えるなど、時代に合わせて小規模な改装を行ってきました。その後、施設の老朽化や環境問題に対応するため、1997年から改修工事が始まり、1999年には一部の施設が供用を開始、2001年4月には全施設が稼働を開始しました。

施設の特徴

北斎場は地上4階建ての構造で、2階には炉前ホールが設置されています。火葬炉は20基の台車式火葬炉を備え、葬儀を執り行うための大、中、小の式場があります。また、駐車場は88台分確保されており、利用者にとって便利な環境が整っています。周囲は住宅密集地であり、建替え後の外観は近代的かつ都市型の火葬場としてデザインされています。このため、一見すると火葬場とは思えない印象を与えています。

利用料金と市民サービス

火葬料金は大阪市内および他の4つの斎場で共通しており、市民であれば割引料金が適用されます。特に、埋火葬許可証の届出者が大阪市や八尾市に居住している場合、市民料金での利用が可能です。これにより、地域住民の負担を軽減し、円滑な葬儀の供給を促進しています。

葬儀を行った著名人

これまでに北斎場で火葬された著名人には、松本竜助（火葬のみ）や前田竹千代、正司玲児などがいます。彼らの存在は、この施設が地域の文化や歴史にとって重要な役割を果たしていることを示す一例です。

北斎場は、ただの火葬場ではなく、地域社会にとって重要な葬儀の場として存在しています。今後もその役割を担い続けることでしょう。

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