北斎館

北斎館：葛飾北斎の芸術と小布施の文化が息づく美術館

長野県上高井郡小布施町に位置する北斎館は、日本を代表する浮世絵師、葛飾北斎の作品を数多く収蔵する美術館です。江戸時代末期、高井鴻山の招きにより小布施に滞在した北斎。その土地で生まれた数々の作品は、北斎館の貴重なコレクションとして大切に保管され、公開されています。

北斎と小布施の深い繋がり

北斎館の設立は、1966年にモスクワとサンクトペテルブルクで開催された葛飾北斎展がきっかけでした。この展覧会で、小布施に関連した北斎の作品が世界的に高い評価を受け、国内での巡回展を経て、記念館建設の機運が高まりました。そして、1976年11月7日、北斎館は開館。1977年には財団法人が設立され、1991年には増改築を行い、現在に至ります。

多彩な収蔵品と展示

北斎館は、約100点もの葛飾北斎の作品を収蔵しています。その中には、北斎が小布施の町組からの依頼で制作した、上町と東町の祭屋台の天井画が代表的です。鮮やかな色彩とダイナミックな表現で描かれた竜や鳳凰は、圧巻の迫力です。これらの天井画は、長野県宝にも指定されています。

その他にも、「柳下傘持美人」、「白拍子」、「八朔太夫」、「桔梗」、「菊図双幅」、「大竜巻」、「富士越龍」といった軸装作品や、「七小町」の八曲一隻屏風、そして北斎自身の書簡など、貴重な資料が展示されています。これらの作品を通して、北斎の多様な表現技法や芸術性に触れることができます。

さらに、浮世絵関連の書籍約3000点を所蔵しており、研究者にとって貴重な資料となっています。

北斎研究の拠点として

開館以来、北斎館は北斎研究の重要な拠点として機能してきました。館内には、肉筆画を展示する展示室、企画展を開催する企画展示室、映像作品を上映する映像展示室、そして研究者や教育関係者向けの研修室を備えています。

北斎館は「財団法人北斎館収蔵品図録」などの出版物も発行しており、北斎研究の普及にも貢献しています。

小布施町での文化体験

北斎館は、単なる美術館としてだけでなく、小布施町の文化を体感できる場所でもあります。北斎ゆかりの町並みを散策しながら、北斎の芸術に触れることで、小布施の豊かな歴史と文化を深く理解することができます。

北斎館を訪れることで、葛飾北斎の芸術世界を堪能し、小布施町の魅力を再発見できるでしょう。

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