北日本文学賞とは？意味をやさしく解説

北日本文学賞について

概要

北日本文学賞は、1966年 11月1日に北日本新聞社によって設立された文学賞で、新人作家の発掘を目的としています。この賞は主に富山県からの応募者が多いですが、最近では全国各地から応募が寄せられ、特に短編小説の分野において重要な登竜門となっています。

選考は一貫して一人の選者によって行われており、第1回および第2回は丹羽文雄が選考を担当しました。その後、第3回から第24回まで井上靖が選者を務め、現在は宮本輝が選考を行っています。受賞作は毎年元日付の北日本新聞に発表され、多くの読者に紹介されます。

受賞作品の一覧

北日本文学賞では毎年数多くの作品が選考され、数十年にわたって受賞作が発表されています。以下は各受賞年の代表的な作品の一部です。

第1回から第10回の受賞作

- 第1回（1966年度）: 藤瀬光哉『二つの火』
- 第2回（1967年度）: 杉昌乃『佐恵』
- 第3回（1968年度）: 林英子『空転』
- 第4回（1969年度）: 山村睦『大鹿』
- 第5回（1970年度）: 神部龍平『闘鶏』
- 第6回（1971年度）: 佐伯葉子『がらんどう』

第11回から第20回の受賞作

- 第12回（1977年度）: 夏目千代『パントマイム』
- 第13回（1978年度）: 野島千恵子『氷の橋』
- 第14回（1979年度）: 田口佳子『靴』
- 第15回（1980年度）: 中西美智子『流れない歳月』
- 第16回（1981年度）: 井村叡『老人の朝』

第21回から第30回の受賞作

- 第21回（1986年度）: 森田功『残像』
- 第22回（1987年度）: 北村周一『ユーモレスク』
- 第23回（1988年度）: 原口真智子『電車』
- 第24回（1989年度）: 高嶋哲夫『帰国』
- 第25回（1990年度）: 織田卓之『残照』

近年の受賞作品

近年では以下のような作品が受賞しており、現代の作家たちによる新しい視点が反映されています。

- 第58回（2023年度）: 大下さえ『疾風迅雷、駆け抜けろ』
- 第59回（2024年度予定）: 岡本佳奈『月と鱧』

出典と参考文献

この文学賞に関する詳細な情報は、北日本新聞社が発行している入賞作品集に掲載されています。

- 井上靖選『北日本文学賞入賞作品集』（北日本新聞社出版部、1984年）
- 井上靖・宮本輝選『北日本文学賞入賞作品集II』（北日本新聞社、2002年）

まとめ

北日本文学賞は、新人作家に光を当てる貴重なプラットフォームであり、地域文学を活性化させる役割も果たしています。全国から集まった優れた作品が選考され、多くの人々の目に触れることとなるこの賞は、日本の文学界における重要な祭典として長い歴史を持っています。

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