北極担当大使

北極担当大使とは

北極担当大使（ほっきょくたんとうたいし、英語: Ambassador in Charge of Arctic Affairs / Ambassador for Arctic Affairs）とは、北極地域および北極に関連する事項を担当する外交官の職名です。また、北極大使（ほっきょくたいし、英語: Arctic Ambassador）とも呼ばれます。

背景

20世紀末頃から、技術の進歩や地球温暖化による北極海の氷の減少により、北極海航路の開発や資源開発などの経済活動の可能性が拡大しました。同時に、環境保護の重要性や先住民の権利尊重の必要性も高まり、国際的な連携が不可欠となっています。

1996年9月19日には、北極圏に領土を持つ8ヶ国が集まり、北極に関する課題を協議する北極評議会が設立されました。この評議会は、北極地域の持続可能な開発や環境保護、先住民の文化保護など、幅広い分野における国際協力を促進しています。

各国の動向

日本は、北極評議会に2009年からオブザーバーとして参加しています。北極への関心の高まりを受けて、外務省は2013年3月19日に北極評議会をはじめとする北極関連事項を担当する北極担当大使を新設しました。初代の北極担当大使には、木寺昌人が任命されました。

アメリカ合衆国も、北極への関与を深めるため、2014年2月14日に国務省が北極地域特別代表(Special Representative for the Arctic Region)を設置する意向を発表しました。同年7月16日には、前アメリカ沿岸警備隊長官のロバート・パップが初代の特別代表に任命されました。

このように、北極地域をめぐる国際的な協力体制は、各国が外交官を任命することでさらに強化されています。北極担当大使や特別代表は、それぞれの国の立場から、北極地域に関する政策を推進し、国際的な議論に参加する重要な役割を担っています。

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