北極星4号

北極星4号（SLBM）

北極星4号は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）が独自に開発した潜水艦発射弾道ミサイル（SLBM）です。このミサイルは、2020年10月10日に開催された朝鮮労働党創建75周年の軍事パレードにおいて、公に初めてその姿を現しました。金日成広場でのこのイベントは、北朝鮮の軍事力を示す重要な機会であり、多くの注目を集めました。

歴史的背景

北極星4号は、北朝鮮のミサイルプログラムの一環として開発され、潜水艦からの発射が可能です。この技術の進歩は、北朝鮮にとって戦略的優位性の獲得を意図しており、特に相手国への抑止力の強化を狙っています。このミサイルの設計や特性については、米国の北朝鮮専門の分析サイト「38ノース」などが注目し、軽量化や射程の延長に関する技術が進展していると評価しています。

技術的特徴

北極星4号の全長は約9.8メートル、直径は1.8メートルとの推計がされています。これにより、新型ミサイルを複数搭載するためには、少なくとも4000トン級の潜水艦が必要だと見積もられています。さらに、北朝鮮がこのミサイルを戦略兵器として利用するためには、長時間潜水が可能な原子力潜水艦も必要です。ただし、現在の北朝鮮の潜水艦は旧式であり、音響探知技術の問題から見つかりやすいという欠点があります。

戦略的評価

北朝鮮の海軍は、遠洋での潜水艦運用に関する経験が限られています。そのため、潜水艦の運行に必要な海図や、周辺の環境情報（海流や塩分濃度など）が不足している可能性があります。このような背景から、北朝鮮の軍事パレードで披露された超大型ICBMや新型SLBMについての評価は分かれています。専門家は、これらのミサイルを真に戦力として利用するには、時間と経験が必要であろうと指摘しています。

結論

北極星4号は、北朝鮮の軍事戦略の中で重要な役割を果たす可能性を秘めていますが、実際の運用には多くの課題が残る状況です。今後も、北朝鮮のミサイル技術や潜水艦運用に関する進展が注目されるでしょう。

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