北沢欣浩

北沢欣浩（きたざわ よしひろ、戸籍上の表記は北澤 欣浩、1962年8月4日 - ）は、北海道釧路市出身の元スピードスケート選手です。「キンコウ」の愛称で親しまれていました。

略歴

北沢選手は、北海道釧路北陽高等学校から法政大学に進学し、スピードスケート選手として頭角を現しました。大学時代には、第10回全日本スプリントで総合3位、第2回学生スプリントでは見事1位に輝いています。

1983年の浅間選抜では、男子500mで37秒86という好タイムを記録し、その後の急成長を予感させました。

そして、1984年のサラエボオリンピック。男子500m決勝は、大雪の影響で5時間も開始が遅れるという異例の事態となりました。優勝候補の筆頭であった黒岩彰選手がその影響で失速する中、北沢選手は普段通りのルーティーンを心掛け、マイペースを貫きました。その結果、見事2位に入賞し、銀メダルを獲得。これは、日本スケート史上初の快挙となりました。

大学卒業後、北沢選手は実業団入りを期待されましたが、「通勤ラッシュがきついから」という理由でこれを拒否し、意外にも公務員として釧路市役所に入庁しました。このエピソードは、彼の飾らない人柄をよく表しています。

1988年に現役を引退後も、北沢選手はスポーツ界との関わりを続けました。1998年の長野オリンピックでは、スピードスケートの解説者として、その経験と知識を活かした的確な解説で視聴者を魅了しました。

2014年のソチオリンピックでは、スピードスケートのスターターという重要な役割を担い、大会の円滑な運営に貢献しました。

現在も公務員として釧路市教育委員会に勤務し、母校である釧路北陽高校の事務長を務めています。長年にわたり、故郷の教育現場に貢献する姿は、多くの人々に感銘を与えています。

北沢欣浩選手は、オリンピックでのメダル獲得という輝かしい功績だけでなく、その後の人生においても、スポーツ界や地域社会に貢献し続けている、まさに国民的ヒーローと言えるでしょう。

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