北海公園

北海公園：北京の歴史と文化が息づく庭園

北海公園は、中華人民共和国の首都、北京市に位置し、かつての皇帝の居城であった故宮の北西に広がる歴史的な宮廷庭園です。その起源は遼代に遡り、金、モンゴル（元）、明、清といった各王朝によって継承され、拡張されてきました。特に、華北を征服した元朝のクビライは、この地を首都・大都を設計する上での中心としました。

歴史

北海公園の歴史は、遼代に建設された離宮に始まります。その後、金朝、モンゴル帝国（元朝）、明朝、そして清朝と、歴代王朝によって受け継がれ、それぞれの時代に改修や増築が加えられてきました。元朝の時代には、政治的貢献が大きかった道教の指導者、長春道人・丘処機に与えられ、北海の中央に位置する瓊華島には道観（道教寺院）が建設されました。また、後に帝位についたクビライ自身も、瓊華島に居住した時期があります。公園として一般に開放されたのは、中華人民共和国が成立してからのことです。

概説

現在の北海公園は、湖（北海）を中心に、仏教寺院が建つ島、南岸に位置する団城、そして北岸に広がる庭園を中心とした建物群で構成されています。

団城

公園の正門からすぐ左手に位置するのが、団城です。「丸い城」を意味するこの場所は、金代には皇帝の御苑の一部でしたが、現在では高さ4.6メートルのレンガ造りの城壁が、周囲276メートルの楕円形の丘を囲む小さな要塞となっています。

瓊華島と白塔山

正門をくぐると、正面には永安橋が架かっており、この橋を渡ることで瓊華島へ行くことができます。瓊華島には白塔山（万寿山）がそびえ立っており、団城の正面に位置しています。白塔山には、清朝の創始者である順治帝によって創建された永安寺というラマ仏教寺院があり、山頂に建てられた白い塔が遠くからも目を引きます。

市民の憩いの場

瓊華島の湖畔には、食事を楽しめるレストランや売店、ボート乗り場などが設けられており、市民公園としての賑わいを見せています。春から秋にかけてはボート遊びを楽しむことができ、冬には天然のスケートリンクとして多くの人々で賑わいます。

北海公園は、歴史的な建造物や美しい自然景観に触れながら、北京の歴史と文化を体感できる場所です。市民の憩いの場として、また観光名所として、多くの人々に愛されています。

参考文献

春名徹著『北京-都市の記憶』（2008年）岩波新書
NHKラジオ講座テキスト『レベルアップ中国語2015年10月号』所収「オリジナル・エッセイで味わう中国語　雪花」解説担当；樋口裕子

関連項目

仏舎利塔
中南海

外部リンク

北海公园首页
わたしの北京50万年(第13話)|フビライの一本の矢―元

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