北海道中央バス南郷営業所:歴史と変遷、そしてその跡地
北海道中央バス南郷営業所は、かつて
札幌市白石区南郷通14丁目に位置し、地域のバス交通を支えていました。ここでは、その設立から廃止に至るまでの歴史、担当路線の変遷、そして跡地の活用について詳しく解説します。
設立と路線の拡大
1964年11月1日、南郷営業所は
札幌市(現・
白石区)南郷通に開設されました。当初は
札幌市内線と郊外線を担当し、地域住民の足として重要な役割を果たしていました。
1977年11月20日には、千歳線、広島線、札夕線など郊外線が大曲営業所に移管され、南郷営業所は市内線に特化することになります。
1970年代後半には、南郷営業所西岡車庫が開設され、路線の拡大に対応しました。1982年4月には、大曲営業所に移管されていた札樽線、札幌岩内線が再び南郷営業所の担当となり、路線の再編が行われました。
札幌市営バスからの路線譲受と地下鉄延伸の影響
1994年4月、
札幌市営バスの定期観光路線(すずらんコース、夜の札幌コースなど)が譲渡され、南郷営業所は新たに定期観光路線を担当することになりました。同年
10月14日には、
札幌市営地下鉄東豊線の延伸開業に伴い、ダイヤ改正が行われ、以下の路線変更が行われました。
西岡平岸線(79系統)新設: 札幌駅前 - 平岸駅 - 札大正門前 - 西岡4条14丁目
西岡線の短縮: 月寒中央駅 - 札大正門前 - 西岡4条14丁目(月82系統)
西岡線の変更: 札幌駅前 - 美園駅前 - 札大正門前 - 西岡4条14丁目(83系統)。美園駅前で東豊線に接続。
また、
札幌市営バス(藻岩自動車営業所)から以下の路線が
北海道中央バス(南郷営業所)に移譲されました。
下西岡線(南71系統): 南平岸駅 - 西岡2条1丁目 - 札大南門 - 澄川駅前(
札幌市営バスと共同運行)
西岡環状線: 澄川駅前 - 西岡3条9丁目 - 西岡水源池 - 西岡4条14丁目 - 澄川6条11丁目 - 澄川駅前など(系統番号を環80から澄73へ変更)
西岡線: 澄川駅前 - 西岡3条11丁目 -
真駒内駅(南81系統、
札幌市営バスと共同運行)
1997年
10月14日には、下西岡線(南71系統)が
札幌市営バスから
北海道中央バスに完全移譲され、
北海道中央バスの単独運行となりました。
統廃合と南郷営業所の廃止
1998年12月1日、南郷営業所と月寒営業所が統廃合され、西岡車庫が新たな営業所(西岡営業所)となりました。これにより、南郷営業所は廃止され、担当路線は西岡営業所と平岡営業所に移管されました。廃止に伴い、「南郷営業所」バス停は「本郷通13丁目」に改称されました。
跡地の活用:南郷の湯
2002年8月、南郷営業所の跡地に「南郷の湯」が開業しました。「湯めごこち 南郷の湯」と称し、札幌最大級の銭湯として地域住民に親しまれています。2003年7月には、南郷の湯の隣にはなまるうどん札幌南郷店が開業し、入浴後の食事も楽しめるようになりました。
南郷の湯 情報
住所: 札幌市白石区南郷通14丁目北3-5
営業時間: 平日 14:00 - 24:00、土日祝 10:00 - 24:00
料金: 大人 450円
移管された主な路線
南郷営業所廃止当時の担当路線は、平岡営業所と西岡営業所に移管されました。
平岡営業所への移管路線
月寒東線(60系統):札幌駅前 - 月寒中学校 - 栄通17丁目(現在の月寒東線(61系統)に相当)
南郷線(72系統):札幌駅前 - 日章中学校 - 地下鉄白石駅 - 南郷営業所
白石線(75系統):札幌駅前 - 月寒中学校 - JR白石駅(現在の創成川・白石線(創75系統)に相当)
平白線(平78系統):平岸駅 - 月寒中央駅前 - 南郷7丁目駅 - JR白石駅(現在の澄川白石線(澄78系統)に相当)
西岡営業所への移管路線
西岡平岸線(79系統):札幌駅前 - 平岸駅 - 札大正門前 - 西岡4条14丁目
西岡月寒線(月82系統):月寒中央駅 - 札大正門前 - 西岡4条14丁目
西岡美園線(83系統):札幌駅前 - 美園駅前 - 札大正門前 - 西岡4条14丁目
下西岡線(南71系統):南平岸駅 - 西岡2条1丁目 - 札大南門 - 澄川駅前
西岡環状線(澄73系統):澄川駅前 - 西岡3条9丁目 - 西岡4条14丁目 - 澄川6条11丁目 - 澄川駅前
* 西岡線(南81系統):澄川駅 - 西岡3条11丁目 -
真駒内駅
現在の状況
南郷営業所は廃止されましたが、その歴史は地域住民の記憶に深く刻まれています。跡地に開業した南郷の湯は、地域住民の憩いの場として親しまれています。また、かつて南郷営業所が担当していた路線は、西岡営業所や平岡営業所によって運行が継続され、地域の交通を支え続けています。