北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターについて

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターは、旧ソ連と東欧地域の学際的研究を行う日本で唯一の研究機関です。1953年に設立されたスラブ研究室をルーツに持ち、様々な分野にわたる総合的な研究活動が展開されています。このセンターでは、スラブだけでなく、広くユーラシア地域に関する研究も行われており、政治、経済、国際関係、歴史、文学・文化、言語学、人類学といった多岐にわたるテーマが対象とされています。

沿革と重要な変遷

センターの始まりは1953年6月24日、北海道大学にスラブ研究室が設立されたことです。1955年には北海道大学法学部附属スラブ研究所が設立され、その後「スラブ研究施設」と改名されました。これにより日本で唯一のスラブ地域研究機関として活動を開始し、1978年にはスラブ研究センターに名称が変更されました。

1990年代に入ると、ソ連やユーゴスラビアの崩壊に影響を受け、旧ソ連・東欧地域全体をカバーすることが必要になりました。そのため、「スラブ・ユーラシア」という名称が新たに導入され、2014年には現行のスラブ・ユーラシア研究センターに改称されました。2009年には共同利用・共同研究拠点に認定され、精神的な学術交流の場としても重要な役割を果たしています。

研究活動とプロジェクト

センターは、日本語、英語、ロシア語の3カ国語で研究成果を発信しており、4種の査読付き学術誌を発行しています。また、研究活動の一環として、国際シンポジウムや研究会、講演会が毎年開催されており、世界中の研究者との交流の場となっています。特に、1995年から1997年度の重点領域研究「スラブ・ユーラシアの変動」や、21世紀COEプログラム「スラブ・ユーラシア学の構築」などの大型プロジェクトに積極的に取り組んでいます。

組織構成

センターの組織は多様で、ロシア、シベリア・極東、中央ユーラシア、東欧、地域比較の各部門に分かれています。2022年10月時点で、専任の教授や准教授、助教、特任助教など約10名が在籍しており、加えて非常勤研究者など多くの研究者が在籍しています。また、全国に数百名の共同研究員を抱え、広範なネットワークを形成しています。

国際交流と学術的関係

スラブ・ユーラシア研究センターは、ロシアに限らず、アメリカ、オランダ、中国、フランス、イギリスなど、世界中のさまざまな大学や研究機関と学術交流協定を結んでいます。この国際的な視点が、センターの研究活動の質をさらに向上させる要因となっています。

まとめ

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターは、独自の位置を占める日本唯一の旧ソ連・東欧研究機関として、これからも学際的な研究を推進し、国際的な学術交流を深めていくことが期待されています。

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