北海道美唄工業高等学校

北海道美唄工業高等学校の歴史

北海道美唄工業高等学校、通称「美工」は、かつて美唄市に存在していた公立の工業高等学校でした。1941年に、北海道庁立美唄工業学校として設立され、その後国際情勢や技術革新に応じて学科を増やし、工業教育の拠点として知られるようになりました。設置された学科は、採鉱科、機械科、電気科、土木科、建設機械科、鉱山機械科であり、多様な工業人材の育成に寄与しました。

学校の立地する空知郡は、鉱山地帯として知られ、地元の産業と深く結びついていました。このため、美工も産業界の必要に応じた人材を育成する場となり、数多くの卒業生が技術者や企業の経営者として北海道内で活躍するようになりました。卒業生の数は1万人を超え、その多くは地元の工業界で重要な役割を果たしています。

学校は特に電気、機械分野に強みを持ち、学術的な取り組みにも力を入れていました。1960年代には建設機械科を設置し、さらに1990年代には美工記念会館を設立するなど、地域の技術教育の充実に努めました。一方で、少子化の影響や地元工業界の変遷により、次第に生徒数が減少していきました。

2011年には北海道美唄高等学校との統合が決まり、それに伴い生徒募集が停止されました。最終的に美唄尚栄高等学校が開校することが決定し、2013年には美工は閉校しました。閉校後、校舎の多くは解体されましたが、体育館や一部の施設は残され、美唄体育センターとして地域住民に利用されています。

校章と校歌

美工の校章は、雪の結晶を背景にしたデザインで、中央に工業の象徴を表す「工」の文字があり、石炭をイメージした黒色とハンマーを模した意匠が特徴的でした。校歌は作詞：今井鴻象、作曲：加藤愃三によって作られ、長年愛唱され続けました。

部活動の活躍

体育系の部活動も非常に活発で、特に男子バスケットボール部や陸上部、スキー部は全国大会にも出場するなど成功を収めました。また、弓道部は10年連続で全道大会に出場し、全国大会への切符も手にしました。サッカー部は全道選手権大会で複数回優勝し、インターハイ北海道予選でも良い成績を残すなど、その名は道内で広まりました。

文化系でも情報技術研究会や美術部、英語部などが活動し、多様な分野での才能を育んでいました。このように、美工は工業分野だけでなく、体育や文化活動においても多くの成果を上げてきました。

主な出身者

美工からはさまざまな分野で活躍する人材が輩出されています。例えば、工学者の草苅敏夫や各市議会議員として地元政治に貢献した井幡修一、阿部義一などがいます。また、元レスリング選手で実業家の鎌田誠もその一人です。

閉校となった美工ですが、その精神と文化は今も地域社会に根付いており、体育センターや卒業生の活躍を通じて、工業教育の重要性を再認識させる存在として残り続けています。

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