区 (分類学)

生物分類における「区」の位置づけ

生物の分類における「区」（く）は、基本的な分類階級である界、門、綱、目、科、属、種には含まれない補助的な階級の一つです。このため、「区」という用語自体は、特定の言語や分野によって意味や位置の決まりが異なります。ここでは「区」に関連する用語やその位置づけについて詳しく説明します。

「区」としての訳語

division（ディヴィジョン）

「区」に相当する用語の一つである「division」は、国際動物命名規約においては亜属を分割する目的で定義されています。このため、section（節）とともに亜属という階級の一部と見なされます。日本の魚類分類においては、サメ区（division Selachii）や新鰭区（division Neopterygii）のように綱と目の間に設定され、下位階級として亜区や下区が設けられることもあります。また、植物学の分野では、divisionは門（phylum）と同義として扱われます。

cohort（コホート）

分類学において、cohortは主に哺乳類の分類に見られます。有胎盤区（cohort Placentalia）や有袋区（cohort Marsupialia）といった名称は、団（legion）と目の間に挿入されており、必要に応じて上位階級としてsupercohortが設定されています。この用語は軟体動物の分類でも用いられ、ここでは鞘形区（cohort Coleoida）として綱と目の間に位置付けられています。下位階級には亜区（subcohort）が設けられることもあるため、重要な分類階級の一つとされています。

さらに、ダニ類の分類では、目と科の間に設定されるcohortに対して「団」の訳語が当てられるため、分野によってその取り扱いが異なることに注意が必要です。魚類においては、cohortはdivisionとorderの間、またclassとdivisionの間の階級として設定されることも確認されます。

まとめ

「区」は生物分類において補助的な役割を果たし、特定の分野や言語によってその解釈や位置づけが異なります。divisionやcohortといった訳語が示すように、分類学は地域や種によって様々な側面を持っているため、正確な理解が求められます。生物の多様性を考える上で、これらの分類階級がどのように機能するのかを把握することは重要であり、今後の研究や実践における基盤となるでしょう。

もう一度検索