医療情報技師

医療情報技師とは、日本医療情報学会が認定する民間資格であり、医療分野における情報技術の専門家です。主な業務は、病院情報システムの開発、運営、保守であり、その専門性から、情報処理技術だけでなく、医療分野や医療情報システムに関する深い知識が求められます。

資格認定試験は2003年に開始され、毎年8月頃に年1回、多肢選択式（マークシート方式）で実施されています。試験では、情報処理技術系、医学医療系、医療情報システム系の3科目が課され、各科目で一定基準以上の成績を収める必要があります。いずれかの科目が基準に満たない場合は不合格となりますが、科目合格制度があり、一部の科目で基準以上の成績を収めた場合は、翌々年の試験までその科目の受験が免除されます。これにより、複数年に分けて合格を目指すことが可能です。

2006年までは、情報処理技術系の科目については情報処理技術者試験の一部合格者、医学医療系の科目については医師、歯科医師、薬剤師、看護師などの医療関係免許取得者を対象とした科目免除制度がありました。これらの免除制度を利用することで、医療情報システム系の科目のみの受験で資格取得が可能でした。

日本医療情報学会は、医療情報技師の国家資格化を目指し厚生労働省に働きかけていますが、現在まで実現には至っていません。しかし、医療情報システムの重要性が増す中で、医療情報技師の役割はますます重要になっています。

2007年からは、より高度な知識と技能を持つ医療情報技師を育成するため、上級医療情報技師の資格試験が開始されました。さらに、2009年からは、医療情報に関する基礎知識を測るための医療情報基礎知識検定試験も開始され、医療情報分野における人材育成を多角的に支援しています。

関連資格としては、以下のようなものがあります。

コンピュータ技術者：情報技術全般の知識を持つ専門家
電子カルテ：医療情報を電子的に管理するシステム
オーダリングシステム：検査や処方などの指示を電子的に行うシステム
情報処理技術者試験：情報処理に関する国家資格

医療情報技師の資格取得を目指す方や、医療情報システムに関心のある方は、日本医療情報学会のウェブサイトなどで詳細な情報を確認することをお勧めします。

外部リンク
* 医療情報技師育成部会

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