十三代目 石川五ェ門

『十三代目石川五ェ門』は、モンキー・パンチ原作、星和弥作画による人気漫画『ルパン三世』のスピンオフ作品です。双葉社『ルパン三世officialマガジン』にて連載中、現在コミックス2巻が発売されています。

本作の主人公は、おなじみの人気キャラクター・石川五ェ門。シリーズでお馴染みの愛刀・斬鉄剣を駆使し、剣豪としての活躍が大きくフィーチャーされています。しかし、五ェ門は殺生を極端に嫌うため、よほどの理由がない限りは峰打ちで相手を制します。その高い武術と、命を大切にする信念が、本作でも際立って描かれています。

五ェ門を取り巻くキャラクターたちも魅力的です。五ェ門を追う女警部・ツナデは、当初は贋作の五ェ門の捜査を行っていましたが、本物の五ェ門と出会い、その人となり、そして圧倒的な剣技に惹かれていきます。やがて、五ェ門への敬愛の念から、彼を更生させることを目的に逮捕しようと決意します。ツナデの部下である刑事・高杉も、物語を彩る重要なキャラクターの一人です。

対する敵役として、歴史ある盗賊一族「根棲ノ衆」が登場します。その頭領であるアサノは、一族を操り裏社会を牛耳ろうとする冷酷な女くノ一です。アサノの野望を阻止しようとする五ェ門の前に、根棲ノ衆のナンバー2である蔵ノ介や、その他多くの敵が現れ、激しい戦いを繰り広げます。

五ェ門が自身の過去と向き合う重要な場面として、「真刀寺」という寺院が登場します。この寺は、志半ばで命を落とした剣士たちの霊を弔う場所であり、五ェ門は過去に真剣勝負で亡くなった相手たちを弔うために訪れます。

「真刀寺」の住職である道春は、かつて「無双」と呼ばれた凄腕の剣士にして殺し屋でした。五ェ門との死闘の末に敗れ、その中で五ェ門の剣士としての生き様、殺戮ではなく己の道を極めようとする姿勢に感銘を受け、仏門に入りました。道春は、五ェ門にとって大きな影響を与えた人物であり、五ェ門自身の在り方や生き様を象徴する存在として描かれています。しかし、アサノに操られた蔵ノ介の部下3人と対峙し、壮絶な最期を迎えます。

『十三代目石川五ェ門』は、五ェ門の知られざる過去や、彼を取り巻く人間模様、そして手に汗握る剣戟シーンが融合した、魅力的なスピンオフ作品です。単行本は双葉社よりアクションコミックスとして刊行されており、既に2巻が発売されています。五ェ門ファンはもちろん、新たな『ルパン三世』の世界観に触れたい方にも強くおすすめできる作品です。

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