十三番目の人格 ISOLA

作品概要

『十三番目の人格 ISOLA』（じゅうさんばんめのペルソナ いそら）は、日本の著名なホラー作家、貴志祐介による小説であり、後に映画化もされた作品です。この作品は多重人格や憑依現象、そして阪神・淡路大震災といったテーマを効果的に組み合わせたミステリーホラーの傑作として知られています。元々は「ISOLA」というタイトルで、第三回日本ホラー小説大賞で佳作に選ばれ、その後タイトルを改めて角川ホラー文庫から出版されました。映画化の際には『ISOLA 多重人格少女』という名前で公開され、漫画化もされています。

作品タイトルの「ISOLA」は、劇中に登場する雨月物語に出てくる怨霊「磯良」と、幽体離脱の実験装置である「ISOLATION TANK」から名付けられています。これにより、物語の中にさまざまな心理的要素が織り込まれた深い意味合いが持たされています。

ストーリー

物語は、賀茂由香里という女性がヒロインとして描かれます。彼女は人の心を読み取る能力を持っています。震災に伴うボランティア活動で、彼女は森谷千尋という少女と出会いますが、千尋はなんと12の異なる人格を持つ複雑な人物です。さらに、震災後には「ISOLA」と呼ばれる凶悪な13番目の人格が誕生し、物語はさらに緊迫感を増します。

由香里は、ボランティアメンバーの青木から千尋の事情を聞かされ、その状況に対処するために、晨光学院高等学校の臨床心理士である野村浩子に助けを求めることにします。彼女は、千尋の非情な叔父から日常的に虐待を受けていることが判明し、その叔父は後に謎の不審死を遂げるという衝撃的な展開が待ち受けています。物語は進むにつれて、千尋に関わる人々が次々と不審な死を遂げる事件に巻き込まれていきます。これにより、物語は深い情緒や恐怖を増していきます。

刊行情報

この作品は1996年に初版が発行され、角川ホラー文庫から出版された後、多くの読者の心をつかみました。

映画化

『ISOLA 多重人格少女』という映画は、2000年1月22日に公開されました。この映画は、阪神淡路大震災を素材にした日本の映画の中で初めての試みであり、被災者への追悼の意も込められています。映画は貴志祐介自らがカメオ出演するなど、注目を集めました。

キャッチコピー

「私の中に潜む、十三番目の悪魔」と言うキャッチコピーのもと、世紀末に誕生したホラー作品として、多くのファンに支持されています。

キャストおよびスタッフ

映画には、木村佳乃、黒澤優、石黒賢などが出演しています。また、監督は水谷俊之が務め、プロデューサーには山田俊輔と井上文雄が名を連ねています。音楽はデビット・マシューズによって手掛けられ、主題歌は氷室京介の「永遠 〜Eternity〜」です。

漫画化

この作品は1999年に漫画化され、作画を凜野ミキが担当しました。タイトルは「ISOLA〜多重人格少女〜」です。

このように、『十三番目の人格 ISOLA』は、ホラー小説としてだけでなく、映画や漫画を通じて、多くの人々に恐恐しいストーリーと深い心理的問題を提供しています。

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