十段 (囲碁)

十段戦について

十段（じゅうだん）は、囲碁界において特別な意味を持つタイトルであり、十段戦での優勝者に贈られます。この称号は、一般的な日本棋院や関西棋院の昇段制度（初段から九段）とは異なり、独立した制度によって運営されています。本戦は1961年に創設され、その正式名称は「大和ハウス杯十段戦」です。

十段戦の歴史

十段戦のルーツは「早碁名人戦」にさかのぼります。1961年の創設以降、産業経済新聞社と日本棋院・関西棋院が主催し、タイトル戦としての重要性を増していきました。初期の優勝賞金は1500万円でしたが、2011年からは1200万円に引き下げられ、その後も段階的に賞金が減少し、2021年時点では750万円となりました。このように、十段戦のタイトルは変遷を遂げてきましたが、その存在感は依然として大きなものです。

競技形式

十段戦は挑戦手合いで、持ち時間は年々短縮されてきました。2002年までは5時間、2010年までは4時間、そして2011年以降は3時間というルールが採用されています。特筆すべきは、第49期までの十段戦では、敗者復活戦方式が採用されていた点です。16名参加のトーナメントで、一度敗退した棋士は敗者組に回り、そこで優勝すると本戦トーナメントの優勝者と対戦することができました。

主催者変更

2011年以降、森ビルが本戦の主催企業となり、名称も「森ビル杯十段戦」に変更されました。さらに2021年からは、大和ハウス工業が協賛し、「大和ハウス杯十段戦」と改名されました。このような変化は、囲碁界の発展や変革を象徴しています。

十段位の昇段規定

十段の挑戦権を得た六段以下の棋士が優勝した場合、七段に昇段します。さらに、七段が十段位を獲得すると八段に、八段で他のタイトルを一つ以上持つ棋士が十段を獲得すると九段に昇段させる特典が与えられます。

名誉十段について

10期以上の十段を獲得し、かつ5連覇を成し遂げた棋士には、引退後または60歳以降に名誉十段の称号が与えられる権利があります。しかし、現在までのところ、その条件を満たした棋士はいないため、名誉十段の保持者はいません。この点でも、十段戦は特異な存在であり、棋士たちにとって挑戦しがいのあるタイトルであることが分かります。

結論

十段は、囲碁界において長い歴史と特異な制度を持つタイトルであり、挑戦し続ける棋士たちの努力を体現しています。今後も十段戦は、多くの棋士にとって憧れの舞台であり続けるでしょう。

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