十河正博

十河 正博（そがわ まさひろ） - サッカー審判員

十河正博は1949年10月15日に栃木県に生まれ、サッカーの発展に多大なる貢献を果たした審判員です。彼は2014年3月24日に逝去するまで、FIFA国際審判員として活動し、日本サッカー界に名を刻んでいました。

学生時代と教育者としての道

十河は栃木県立壬生高等学校を卒業後、仙台大学に進学し、教育を学びました。大学卒業後は故郷に戻り、栃木県の高等学校で保健体育の教諭として教鞭を振るい、日光高校（現・日光明峰高校）や宇都宮南高校、宇都宮北高校などで指導に専念しました。教育者としても優れた資質を持ち、サッカー部の監督として数多くの生徒たちにサッカーの魅力を伝えました。彼はまた、栃木教員サッカークラブに選手としても参加し、1980年には成年男子の部で地元チームの主将として国体での優勝に導くなど、選手としても活動を続けました。

審判員としての活躍

サッカー選手および指導者としての活動に加え、十河は審判の道にも進むことを決意しました。彼は1979年に日本サッカー協会（JFA）の1級審判員資格を取得し、1986年からはFIFAの国際審判員としても活動を始めます。日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）が設立された頃から主審として参加し、1992年にはヤマザキナビスコカップの決勝戦、ヴェルディ川崎対清水エスパルスの主審を務めました。その後、1993年のJリーグ開幕戦でも、鹿島アントラーズ対名古屋グランパスエイトの主審として著名な大会にも関与しました。

退職と晩年

2010年2月、還暦を迎えた十河は栃木県高等学校サッカー新人大会の決勝戦を最後に、審判員としてのキャリアを終えることを決意しました。彼の晩年は栃木県サッカー協会で審判委員長としての役割を果たし、栃木県内の審判界の発展に貢献しました。

教え子とのエピソード

十河の教え子である相樂亨そして高山啓義は、彼の教えを受けてJリーグでの審判活動を続けています。特に相樂には「お前は副審に向いている」と助言し、若手の審判育成にも力を注いでいました。彼の指導がその後の日本サッカー界に大きな影響を与えています。

後世への遺産

十河正博が遺した名声は、彼の逝去後も続いています。彼の功績を讃える「十河正博賞」は、毎年その年に最も栃木県のサッカー審判界に貢献した人物に授与され、彼の名前はサッカー界に生き続けています。2014年3月30日には栃木SCとジュビロ磐田のJ2戦の試合前に黙祷が捧げられ、彼の存在が多くの人々に思い出されています。彼は享年64歳で逝去しましたが、その業績は今もサッカーの世界で輝きを放ち続けています。

もう一度検索