千乃正法

千乃正法会（ちのしょうほうかい）

千乃正法会は、1977年に千乃裕子（本名：増山英美）によって設立された宗教団体です。彼女は1934年1月26日に生まれ、2006年10月25日に72歳で亡くなりました。大阪府池田市出身で、梅花短期大学の英文科を卒業した経歴を持っています。団体の主張として、宗教と科学は宇宙の真理を異なる視点から追求するものであり、本来は同一であるとの「宗教と科学の一致論」が掲げられています。

千乃正法会は、時にカルト団体と指摘されることもありますが、その主張は一貫して否定されています。明文化された教典を持たないことが特徴であり、団体の信念や活動は、その内面の深い思想に基づいています。反共思想が強く、共産主義を絶対的な悪とみなしています。このため、日本共産党に対する批判的なビラ配布などの活動も行っており、その姿勢は信者の間でも共有されています。

この団体の中で特に注目されたのは、GLA教団の教祖である高橋信次が亡くなった際に、千乃裕子が自らの後継者資格を主張したことでした。しかし、GLA教団からは入会を断られたことから、彼女が同教団に在籍していた事実はありません。

千乃正法会としての正式な宗教法人認証は取得しておらず、活動の母体はエルアール出版（かつての「ジェイアイ出版」）です。かつては会員数が約1万人に達したと言われていますが、2003年頃にはその数は約1200人にまで減少しています。この時期には、その一部活動が「パナウェーブ研究所」として知られるようになりました。

特に注目を集めたのは、2003年に「パナウェーブ研究所」が全身白ずくめの衣装を身につけて活動を行った時です。この活動がマスメディアに取り上げられることで、世間の関心を惹きました。その際、警察庁長官が「オウム真理教の初期に似ている」と発言し、団体の様子は一層周囲の眼を引きました。多くのメディアは「白装束」としてこの団体の活動を報じ、潜在的な危険性を警告しました。

一方で、千乃正法会に対する評価は分かれており、信者たちは団体の理念に基づいた活動に誇りを持っています。彼らは、科学と宗教の融合がもたらす可能性に期待を寄せている一方、外部からの批判に対しては厳しい立場を取ることもあります。

このように、千乃正法会は独自の信念と活動を持ちながらも、その存在はさまざまな議論を呼ぶ宗教団体であると言えるでしょう。今後の展開が注目される中で、彼らの活動がどのように変化していくのかが鍵となります。

関連項目

• - パナウェーブ研究所

外部リンク

• - エルアール出版

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