千厩町立小梨中学校

千厩町立小梨中学校の歴史と地域との関わり

千厩町立小梨中学校（せんまやちょうりつ こなしちゅうがっこう）は、岩手県東磐井郡千厩町（現在は一関市千厩町）に位置していた公立中学校で、通称は梨中（なしちゅう）です。この学校は、1947年に開校し、2000年に閉校するまでの53年間にわたり、地域に根ざした教育を提供していました。小梨という名称の由来は、この地域が1956年まで存在した小梨村から来ており、学校名にはその地名が反映されています。

学校の設立と発展

開校当初の1947年は、第二次世界大戦後の学制改革の一環として設立された年であり、当初は小梨小学校と校舎を共有していました。体育施設やイベントは両校で共同使用され、地域の行事にも積極的に参加していました。特に、体育祭や文化祭では地域との交流が深められました。1979年に小梨小学校の独立校舎が完成するまで、両校は同じ敷地で運営されていました。

1957年には清田分校が設立され、入学式や卒業式などの重要な行事は本校で合同開催される形をとっていましたが、同年の6月には清田中学校として独立しました。これは短命に終わり、4年後には統合されることとなりました。

学校活動と地域貢献

千厩町立小梨中学校は地域社会との密接な関わりを持ち、特に北小梨地区に伝わる郷土芸能「小梨打ちばやし」を学校行事で披露していました。また、地域住民との協力によって多くの活動が展開され、1983年には「小梨ジュニアリーダークラブ」が設立され、地域の青少年がボランティア活動を行う場ともなりました。このクラブは中高生の有志によって構成され、地域でのイベントや募金活動を通じて地域貢献の一助となりました。

校歌と制服

校歌は1959年に制定され、作詞は地元出身の菅原憲、作曲は小山誠之によって作られました。この歌には地域の名前や風景が盛り込まれ、愛着のある歌として伝えられてきました。また、1963年には制服が制定され、当時の珍しいデザインの女子セーラー服が特徴的でした。

閉校とその後

学校は2000年に閉校し、これまでに延べ2,888人の生徒を卒業しました。閉校の理由には少子化や地域の過疎化が挙げられ、同地域の生徒はスクールバスを利用して千厩中学校へ通うことになりました。閉校後は建物が解体され、小梨保育園がその跡地に移転しました。現在は地域の記憶を留めるために閉校記念碑が設置され、継続して地域の人々によって大切にされています。

教育目標

千厩町立小梨中学校は「楽しく生き生きした学校」を目指し、教育目標を次のように掲げていました。生徒が思いやりを持ち、自立し、他者と協力しながら成長することが重視されました。これにより、学校は地域社会との結びつきを大切にし、地域に根差した教育の場であり続けました。

総じて、千厩町立小梨中学校は地域を愛し、地域に育まれた学校でありました。県内の中学校では閉校という現象が多く見られる中、梨中は地域との連帯を持ちながら、長い歴史を刻んでいました。

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