千本松大橋

千本松大橋（せんぼんまつおおはし）

千本松大橋は、大阪市西成区南津守2丁目と大正区南恩加島1丁目を結ぶ、木津川に架かる橋です。この橋は、大阪府道5号大阪港八尾線の一部であり、特に独特な形状を持つループ橋として知られています。橋の主梁の長さは323.5メートルですが、両岸の高架坂路（ループ）部分を含めると、総長は1253.5メートルに達します。また、この橋はその形状から「めがね橋」とも呼ばれ、地元の人々に親しまれています。

橋の概要

千本松大橋は1973年に、大阪市の管理下で架設されました。その目的は、大阪羽曳野線の分断区間を解消することでした。橋の名称は、江戸時代に木津川の堤防沿いに多くの松が植えられていたことに由来しています。この橋には車道と歩道が整備されており、自動車や歩行者が安全に通行できるようになっています。さらに、橋を通るバスも運行されており、交通の便が向上しています。

歴史的背景

木津川の両岸は、かつて大阪港として盛況な工業地帯や造船所が広がっていました。特に木津川の大浪橋以南は、港湾区域となっており、大型船の航行が考慮されるため通常の橋の建設が難しい地域です。1966年には国道43号の木津川橋が架橋されましたが、大正区南部からの陸上交通では依然として迂回を強いられ、多くの不便を抱えることになりました。

そのため、千本松大橋は、高い桁下を持つループ橋として設計され、陸上交通の便を改善することを目的として建設されました。しかし、橋の完成と同時に、第一次オイルショックによる景気の悪化が影響し、当該地域に存在していた大型船の造船所は次々と衰退し、航路高が33メートルも必要な大型船の航行は消失してしまいました。

渡船の存在

千本松大橋が架設される以前から、この地域には木津川を渡る渡船場が存在しました。千本松渡船場は、西成区と大正区間の歩行者や自転車の利用に役立っていました。橋の開設に際し、初めは渡船場を廃止する計画がありましたが、住民からは「橋の渡りには時間と体力がかかる」といった意見が多く寄せられました。この声を受けて、大阪市は渡船場の存続を決定し、現在でも千本松渡船場は利用されています。

アクセスと交通

千本松大橋へのアクセスは、大阪シティバスが担当しており、南津守二丁目、南津守、千本松橋西詰からの利用が可能です。このように、千本松大橋は整った交通網を提供しつつ、地域住民にとっても重要な通行手段となっています。

参考情報

同じく720度のループを持つ橋として、河津七滝ループ橋が挙げられます。また、千本松大橋について詳しい情報は、大阪市の公式サイトや専門のWebサイトにも掲載されています。

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